放送後も「あまちゃん」短歌連作で楽しもう!
歌人・小説家の加藤千恵さんが、自身のサイトで掲載された「あまちゃん」をイメージした短歌。放送が終わった後にも、サイトに自身のあまロスに関して書かれていたりと「あまちゃん愛」に溢れた加藤さんの短歌。見ると、思わずウルッとくるような作品ばかり! 放送の“そのあと”には、“あま短歌”で余韻にどっぷり浸かってけろ!
火も波も日も石も飛び越えて行く つないでる手を離さずに行く
人生の中で全話を見た朝ドラというのは、「あまちゃん」が最初で、おそらく最後なんじゃないかなとも思っている。しかも複数回みた話がほとんどだから、実際は全話以上だ。大げさじゃなくて、あんなにも苦手だった朝が待ち遠しかった。登場人物みんなをどんどん好きになっていった。絶対に見たかったし、絶対に見たくなかった最終回のあと、発表のあてもない短歌連作を書いた。書かずにいられなくって書いた。「あまちゃん」がわたしにくれたものはたくさんあるけど、衝動は間違いなくその一つだ。最終回を迎えた今でも、どこまでもじゃなくても、どこかまでは行けると信じている。登場人物たちが。そして自分が。
2016.09.14 UP
バレたっていいと思った 嘘をついてまで会いたい人がいたから
2016.09.14 UP
考える前に体を動かした 見えた景色は美しかった
2016.09.14 UP
あの頃のあなたは今もここにいてわたしを動かしつづけている
2016.09.29 UP
どこまでも沈んでみても終わらないことをこの目で確かめている
2016.10.06 UP
見えるかはわからなかった 振らずにはいられなかった ただ叫んでた
2016.10.13 UP
伝えなきゃ あなたのかわりがいないこと ここにあなたが必要なこと
2016.10.20 UP
だせぇものが何かを作り出すんだよ! 何かを世界と言い換えてやる
2016.10.27 UP
くやしいと思えてよかった 嬉しいと思えただけじゃなくてよかった
2016.11.02 UP
向いてないことを続ける才能がまだ見えてない場所を照らした
2016.11.10 UP
揺れる波 延期になった約束をいつか優しく叶えてほしい
2016.11.17 UP
走らせる どこかで待ってくれている誰かのために自分のために
2016.11.24 UP
逆回転できない日々を進むのだ いびつで残酷で不確かな
2016.12.01 UP
やれることもやりたいこともあるはずだ みんなじゃなくてそれぞれのあなたに
2016.12.08 UP
お互いの人生だからお構いなく だけどどこかでまた会いましょう