おひさま
CS初放送
9月26日(月)よりベルト放送スタート毎週(月)~(金)11:00~12:00※毎日3回分進行
「ちゅらさん」の岡田惠和が脚本を手がけた、井上真央主演の連続テレビ小説。信州・安曇野、松本を舞台に、昭和という激動の時代の中で人々をおひさまのような明るい希望で照らす、陽子の半生を描いた作品。
病気の母との最期を家族で過ごすため、長野県安曇野にやって来た少女・陽子は母と見たそば畑一面の白い花と、「おひさまのようにいつも笑って世界を明るく照らす」という約束を胸に少女時代を過ごす。やがて世の中が戦争へと向かう時代に女学校へ。昭和16年、尋常小学校が国民学校となったこの年、陽子は念願の教師になる。子どもたちの笑顔を守りたいと奮闘する中、陽子を取り巻く人々にもそれぞれの転機が訪れる・・・。(2011年初放送・全156回)
脚本:岡田惠和
音楽:渡辺俊幸
演出:笠浦友愛
ヒロイン:丸山陽子 (井上真央)
父:須藤良一 (寺脇康文)
母:須藤紘子 (原田知世)
長男:須藤春樹 (田中 圭)
次男:須藤茂樹 (永山絢斗)
そば屋おかみ:丸山徳子 (樋口可南子)
そば屋の長男:丸山和成 (高良健吾)
女学校時代の親友:筒井育子 (満島ひかり)
女学校時代の親友:秦野真知子 (マイコ)
陽子&語り (若尾文子) ほか
ヒロイン:丸山陽子 (井上真央) / 父:須藤良一 (寺脇康文)/ 母:須藤紘子 (原田知世)/ 長男:須藤春樹 (田中 圭)/ 次男:須藤茂樹 (永山絢斗)/ そば屋おかみ:丸山徳子 (樋口可南子)/ そば屋の長男:丸山和成 (高良健吾)/ 女学校時代の親友:筒井育子 (満島ひかり)/ 女学校時代の親友:秦野真知子 (マイコ)/ 陽子&語り (若尾文子) ほか
コラム
“朝ドラ”50周年記念作品連続テレビ小説『おひさま』。脚本は、一大ブームを巻き起こした『ちゅらさん』に続く2度目となる岡田惠和、ヒロインにはキャリアと実力、人気を兼ね備えた井上真央が起用された。節目を飾るにふさわしい「“朝ドラ”の教科書」のような作品だ。
■ 絵に描いたような
究極の“朝ドラ”ヒロインclick
■ 女学生時代の
“ガールズトーク”の眩しさclick
■ 戦争の描き方に見る
「無邪気さの代償」click
■ 安曇野の自然と、
イケメンたちに癒されるclick
■ 絵に描いたような究極の“朝ドラ”ヒロイン
「“朝ドラ”ヒロイン」と聞いて、イメージするものは? 長い歴史のなかで、なんとなく作られてきたのは「中肉中背、親しみやすいタヌキ顔、ぱっちりの大きな瞳、おでこ全開のおさげ髪、もんぺ姿」などのイメージだろう。
そんな直球ど真ん中の「絵に描いたような“朝ドラ”ヒロイン」が、“朝ドラ”50周年にして、登場した。井上真央演じる須藤陽子だ。
物語は、戦前、戦中、戦後を明るく逞しく生き抜くヒロイン・陽子の「女性一代記」。「私は陽子。太陽の陽子です」のキャッチコピーも、ピタリとハマっている。
ちなみに、作品内でたびたび見られる箸使いの美しさや、手紙や教師時代の板書に見られる本人の直筆の達筆具合も、「誰にでも愛されるヒロイン」として説得力抜群なのだ。
■ 女学生時代の“ガールズトーク”の眩しさ
陽子の親友・真知子と育子を演じるのは、マイコと満島ひかり。その顔ぶれの豪華さもさることながら、女学校の下駄箱へのラブレター(しかも後輩女子から!)あり、通学路の飴屋での放課後のおしゃべりあり、初恋話に花を咲かせたかと思えば、「買い食い」がバレて校長先生に呼び出され…。女学生たちの何気ない日々を彩る “ガールズトーク”はとにかく姦しく、可愛く、眩しい!
その輝かしさを引き立てるのが、思い出を語る晩年の陽子(若尾文子)のゆったりしたナレーション。「あのときは世界の終わりだと思ったわ(笑)」などと語る、少女特有の大袈裟表現は、おとぎ噺のような不思議な味わいを醸し出している。聞き手の主婦役は、かつて『はね駒』で凛々しいヒロインを演じた斉藤由貴というのも、注目ポイントだ。
■ 戦争の描き方に見る「無邪気さの代償」
“朝ドラ”では「誰にでも愛されるヒロイン」が定番。『おひさま』の陽子も同様だが、そんな陽子を唯一拒絶する存在として登場するのが、戦争の傷を受けた初恋の人・川原である。
川原は恋人と満州に渡り、敗戦後、陽子と偶然に再会する。実家も家族も空襲で失ったこと、恋人もなくしたことを語り、励まそうとする陽子を「きれいごと」と非難した挙句、「戦争を忘れずに生きていく」と告げて去る。
“朝ドラ”が「戦争」を描くとき、ヒロインは反戦意識を持っていることが多いが、陽子は、戦争中も明るく無邪気に日本の勝利を信じていた。むしろ積極的に軍国主義教育を行っていた。そうした愚かさの代償として、陽子は辛い別れを味わう。太陽のように照らす光が、すべてを癒すわけではないのだった。
■ 安曇野の自然と、イケメンたちに癒される
『おひさま』が放送されたのは、東日本大震災から間もない時期。時代も状況も異なるが、震災で奪われた「平凡な暮らしのありがたさ・大切さ」が胸に染みる作品でもあった。
また、舞台は、雄大な北アルプスの山並みや、透き通った小川、のどかな田園風景が広がる信州・安曇野。第一話でヒロイン一家が東京から安曇野へ越してくるシーンは、一面真っ白な蕎麦の花が風に揺れ、幻想的なほどの美しさだ。安曇野はこの作品によって、女性が選んだ“行きたいロケ地”「第2回ロケーションジャパン大賞」も獲得している。
そして、陽子を囲むのは、兄の田中圭・永山絢斗、夫の高良健吾、初恋の人・金子ノブアキなどのイケメン俳優たち。美しい景色・俳優に癒される、「目の保養ドラマ」なのだ。
田幸和歌子
1973年生まれ。出版社、広告制作会社を経て、フリーランスのライターに。
現在、週刊誌や夕刊紙、ウェブなどで執筆中。
6歳時に“朝ドラ”『連続テレビ小説 マー姉ちゃん』にハマって以降、全ての“朝ドラ”を見続けてきた“朝ドラ”好き。
「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)著。
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あらすじ
第26週 すべての母より
亡き妻・紘子(原田知世)の面影を求めて独り映画館で毎夜同じ映画を観ていた良一(寺脇康文)の寂しさを思うと、陽子(井上真央)はたまらなくなった。依然として容態は危険なまま、本人の生きる力次第だと言われ、一緒にいて何も気づいてやれなかった茂樹(永山絢斗)も自責の念に駆られる。しかし夜が明ける頃、先に目を覚ましたのは良一で、いつのまにか眠ってしまっていた陽子・茂樹・和成(高良健吾)は、良一に起こされる。(第151話)