輝くウォーターメロン～僕らをつなぐ恋うた～

ろう者の両親と兄を持ち、家族の中で唯一耳が聞こえるハ・ウンギョル。そのため、小学生の頃から両親の食堂を手伝い、手話の通訳をしてきた。一家は半地下の家に引っ越すが、ウンギョルは大家の息子で同じクラスのヨム・ビョンホにいじめられてしまう。親にも言えず、１人で落ち込んでいたウンギョルだが、楽器店から流れる曲に慰められる。店のおじいさんから「１曲マスターしたら人生が変わる」と言われ、ギターを習い始めることに。

高校２年生になったウンギョルは、マスクで顔を隠し路上でギターを弾いていた。その演奏を聴いた“スパイン・ナイン”のメンバーから、新メンバーとしてスカウトされる。ウンギョルは意を決してバンドに加入し、バンドはヒットメーカーのオ・マジュに注目されて大きなチャンスを手にする。そんな中、ウンギョルは父に呼び出されて警察署へ。父の話を聞いて６年前の出来事を思い出したウンギョルは、バンドを抜けるとメンバーに伝える。

1995年、高校生のハ・イチャンは一目惚れしたチェ・セギョンと交際するため、「初恋の記憶操作団」というバンドを作ることに。しかもバンドのメンバーとして、天才ギタリストのユン・ドンジンを誘うことに成功する。一方、ウンギョルは不思議な楽器店を出ると、なぜか1995年にタイムスリップしていた。イチャンは道端に立つウンギョルをドンジンだと勘違いして話しかけ、ウンギョルは父親が言葉を話していることに驚く。

ウンギョルに「おばさん」と呼ばれて怒るセギョンだが、楽器店のおじいさんのことを訊ねられて顔色を変える。一方、イチャンはユン・チョンアが嫌がらせで倉庫に閉じ込められていたことに気づく。力になると伝えてその場を去るが、行く当てのないウンギョルに付きまとわれ、逃げるように帰宅する。ところが、成績の悪さに激怒した祖母に追い回され、イチャンは後をついてきたウンギョルを家庭教師として紹介し、難を逃れようとする。

イチャンがまだ事故に遭っていないことに気づいたウンギョルは、イチャンをそばで見守って父の未来を変えると誓う。そんな中、セギョンはイチャンに黙ってアメリカへ留学に行ってしまう。ウンギョルはイチャンのためにベーシストのカン・ヒョンユルと取り引きをしてバンド結成にこぎつけるが、楽器を弾けないとリーダーとして認めないと言われて焦るイチャン。そこでウンギョルは自分がギターを教えるから、勉強して大学に行けと話す。

音のない世界で怒りの感情を抱えて生きていたチョンア。ところが、イチャンを見て笑顔になり、ひそかに恋心を抱くようになる。チョンアはイチャンのもとへ会いに行くが、留学に行っていたはずのセギョンがイチャンの前に現れる。イチャンは浮かれていたが、ウンギョルは雰囲気が変わったセギョンに違和感を覚える。バンドの練習後、セギョンがイチャンを遊園地に誘い、ウンギョルはイチャンを守るためについていくのだが…。

セギョンの娘オン・ウンユは、自分勝手な母にうんざりして家出をする。行く当てがなく絶望していた時、“ラ・ビダミュージック”に迷い込んで1995年にタイムスリップする。母と顔がそっくりなウンユはセギョンに成りすまし、自分が生まれないようにするために母の初恋を叶えようと決意する。一方、倒れたチョンアを病院まで運んだイチャン。目を覚ましたチョンアに誤解していたことを謝り、２人は一緒にご飯を食べる。

ウンギョルを捜している時に暴行されて道で倒れたイチャン。チョンアはイチャンを発見するが、救急車を呼べず、通りかかったウンユに助けを求める。ウンユがイチャンを助けるのを見届けてその場から去るチョンア。一方、ウンギョルはジンソン楽器の会長宅で目を覚ます。誓約書に署名して帰ろうとするが、ウンギョルはチョンアが自分の母親であることに気づく。継母に叩かれそうになったチョンアをかばい、彼女に手話で言葉を伝えるが…。

ウンギョルにセギョンを諦めろと言われたイチャンは腹を立て、２人は取っ組み合いのケンカをする。セギョンに成りすましているウンユは、ウンギョルからの告白を信じられず、本心を探ろうと詰め寄る。ウンギョルが内心ハラハラしつつ本気で好きだと答えると、ウンユは以外にもあっさりと信じる。そんな中、チョンアがイチャンに片思いしていると知ったウンギョル。セギョンとイチャンを近づけないよう作戦を立てる。

ウンギョルはウンユに思わずキスをしてしまい、ウンユに距離を置こうと言われる。一方、チョンアはウンギョルに手話を教えてほしいと頼む。高校の理事長であるチョンアの母親は、チョンアに手話を教えるなとウンギョルに警告する。反抗したウンギョルは授業に出られないように掃除をする罰を与えられてしまう。そんな中、“ラ･ビダミュージック”のマスターから電話がかかってきて、「最高の助っ人を送った」と言われるが…。

イチャンたちはバンド名を“ウォーターメロンシュガー”に改名し、文化祭に向けて練習に明け暮れる。だが、ウンユはウンギョルが女子生徒にモテるのを見て不機嫌に。そんな中、ウンギョルは2023年に聞いたユン・ドンジンの話を思い出す。それは、文化祭の前日に誰かが大ケガを負う、というものだった。イチャンが大ケガを負うと考えたウンギョルは、イチャンが文化祭のリハーサルに参加しないよう、ウンユの力を借りることにする。

イチャンを助けることに夢中で、ウンユを映画館に置き去りにしたウンギョル。文化祭当日、ウンユのことを思い出して謝りに行くが、一切無視されてしまう。一方、チョンアから手作りのプレゼントをもらって喜ぶイチャン。だが、チョンアはイチャンのことを諦めるつもりでいた。バンドの演奏が始まり、会場は予想以上に盛り上がる。そんな中、ウンユはセギョンの友人ユン・サンアから思わぬ事実を聞いて、逃げるように会場を後にする。

ウンユはウンギョルに送ってもらい、家の中に招く。２人きりの状況に少し緊張しつつも、２人はいっそう距離を縮める。その後、ウンギョルは“ラ・ビダミュージック”のマスターから電話が来て、2023年に戻る日が近づいていると言われる。そんな中、イチャンたちは急きょ全国バンドコンクールに出場することになり、自作曲を作るため合宿することに。イチャンはチョンアを合宿に誘おうとするが、なかなか勇気が出ない。

合宿地に向かう電車の中で、互いに時間旅行者だと知ったウンギョルとウンユ。戸惑っているところにイチャンが現れたため、２人は慌てて１つ前の駅で降りる。２人は状況を整理して、迎えに来た楽器店のオーナーの車に乗り込むが、オーナーはウンユを見て戸惑っていた。合宿所に全員がそろい、本格的に曲作りが始まる。作業は難航するも、チョンアの励ましで心を打たれたイチャン。そこから一気に曲作りが進行し、朝になると曲が完成していた。

ウンギョルはイチャンを守ったと安心しきっていたが、ウンユがウンギョルの兄ハ・ウノから聞いた話では事故はまだ起きていないという。2022年にウノが偶然マジュと出会っていたことや、事故について教えてもらっていたことなどを聞いても、にわかには信じられないウンギョル。だが、明日事故が起きると分かった以上、あらゆる手を尽くそうと考える。しかし、その夜、ウンギョルのもとに警察だと名乗る男たちが現れて同行することに。

楽器店の近くで、ひき逃げ事故が発生する。現場に落ちていたカセットテープの持ち主をオーナーに伝えたウンユは、去り際にセギョンが抱えていた思いを伝えて2023年に帰ろうと決意する。その頃、ウンギョルは“ラ・ビダミュージック”のマスターから、元の世界に戻れるチャンスは明日だけだと電話で伝えられていた。イチャンを残して帰れないと思い詰めるウンギョルは、ふとビバおじいさんの言葉を思い出して楽器店へ向かう。