運命の渦

ヤン・ナムジンは海辺の村で「人材事務所」を営む社長だが、多額の借金を抱えていた。暮らしぶりは豊かとはいえない一方で、母親と事務所で一緒に働くイ・サンヒョンと3人で、つつましくも楽しく暮らしていた。

初恋の女性、チョン・ジナが、父親の借金1億ウォンのかたに町一番の有力者の息子、カン・デシクと結婚させられることを知ったナムジン。彼は自分が借金を肩代わりすると言ってしまう。そんななか、事態が一変する。

アン会長の看病人として会長宅に住み込むことになったナムジン。アン会長は亡き息子・ヨンギュの面影をナムジンに見て感傷に浸る。ナムジンの明るい性格もあり、すぐに打ち解けて談笑する2人だったが…。

ナムジンがアン会長を乗せた車を運転して病院に向かう途中、ミンハン社の社長令嬢、ハン・スンジュが車の前に飛び出し、気を失ってしまう。翌朝、目が覚めたスンジュはナムジンが空港で抱きついてきた男だと気づく。

酔った勢いでスンジュはナムジンに涙声で電話をかけるが、われに返って慌てて電話を切ってしまう。スンジュからの電話が切れ、ナムジンは再び電話を取るが、母親がリウマチで入院したという知らせが入る。

シウはアン会長に、結婚を前提に交際している女性だとスンジュを紹介。スンジュは結婚するつもりはないとシウに告げる。一方、ジナはヒョンガンのデザイン室で働く女性とルームシェアをすることになった。

ヒョンガンの社屋を訪れたジナはナムジンの姿を見かけ、ひそかに涙を流す。会長の看病人としてヒョンガンに来たナムジンだが、掲示してある辞令を見て自分が秘書室長になっていることを知って驚く。

理事たちが受け取った賄賂のせいで、新ブランドの推進を一時中止せざるを得なくなったシウだが、気持ちを切り替える。そんななか、死期が近いと悟ったアン会長は、ホ弁護士に命じて遺言を作成する。

「ナムジンをどこから連れてきたのだ」とアン会長はナムジンの母親を詰問。アン会長からDNA鑑定書を見せられた彼女は重い口を開き、昔、ナムジンの母親の内縁の夫が連れてきた赤ん坊がナムジンだったと話す。

アン会長はナムジンに、「お前は30年前、病院から消えた私の孫だ」と告白。衝撃の事実を聞かされたナムジンは動揺する。その頃、スンジュは押しの強いシウからプロポーズされ、ナムジンに相談しようとするが…。

アン家の離れにナムジンの家族が住んでいることを知り、怒りを露わにするシウ。「家族を出ていかせなければ、解雇する」と告げるシウに対し、冷静に反論するナムジンだったが、シウは反感を抱く。

ナムジンはシウにジナの顔写真を見せ、「彼女は大事な友人で、エレベーターの前で2人で話しているのを見た」と迫るが、シウは覚えていないと突っぱねる。2人の関係に興味があるシウは、ジナにナムジンのことを聞く。

スンジュがシウに連れていかれたのはスンジュの父親・マンソクの結婚式だった。父親の再婚を阻止してほしいと頼んだシウに裏切られ、絶望したスンジュは式場で人目もはばからず怒りを露わにする。

病院に搬送されたアン会長。付き添うナムジンとホ弁護士は、医師から会長が危篤状態だと聞かされる。その頃、マンソクと話しあっていたスンジュは、マンソクの再婚は認めるが、家を出てひとり暮らしをすると言う。

ナムジンに見守られて息を引き取るアン会長。ナムジンは、ホ弁護士から秘密裏に姓をアンに変更していたことを告げられる。ヒョンガングループが危機に瀕しており、ナムジンの身の安全を守るためにやったというのだ。

アン会長の遺言状が公開されたため、葬儀場は騒然となる。ナムジンが会長の実の孫であることや、今後1年間はシウとナムジンの2人に競わせ、その売り上げによって後継者を決めるという内容が明かされたのだった。

「破談にしたい」とシウに告げるスンジュ。愛していない人とは結婚できない、ほかに愛する男性がいるとスンジュは告白する。激怒したシウはミンハン社と手を切ると脅すが、スンジュは真剣に取りあわない。

ミンハン社を訪ねたシウは、マンソクに「今後は取引をしない」と一方的に通告して圧力をかける。社長室から出てきたシウは、コ・ソンギュという社長の義弟が問題を起こしたという話を小耳に挟む。

ナムジンは、ヒョンガングループの後継者争いから降りた理由を、自分に能力がないことを見破られるのが恐かったとスンジュに明かす。スンジュはナムジンを勇気づけ、2人は酒に酔った勢いで互いに悩みを打ち明ける。

シウに後継者争いの挑戦状を叩きつけたナムジン。シウは負けるはずがないと自信満々だが、一刻も早くシウを後継者にしたいスヒは、ホ弁護士を代表の座から引きずり下ろすべくあることを画策する。

ナムジンはリストラ対象になった社員に、自分のプロジェクトチームに加わるよう説得するが、チームの要である専属デザイナーの人選が難航していた。一方、スヒはマンソクを訪ね、破談に応じる交換条件を出す。

シウとジナが親しげに立ち話をしている所に居合わせたデシクは、シウに自分はジナの夫だと名乗る。その頃、スンジュは夜の公園で不良に絡まれている女の子を助け出そうとし、不良に襲われそうになるが…。

ナムジン率いる「2チーム」が集結するが、肝心のデザイナーがいない。みんな不安になるが、ナムジンの片腕であるサンヒョンは、決定していないのに「米国帰りの優秀なデザイナーと交渉中」と言ってしまう。

スンジュは2チーム専属デザイナーになることを引き受けるが、ある条件をナムジンに提示する。社内はナムジンとシウの話題で持ちきりで、大部分の社員はシウが率いる精鋭揃いの「1チーム」が勝つと予想していた。

ナムジンを前にジナは重い口を開き、「故郷の町は暗い思い出しかないから、ナムジンの記憶も消したい」と打ち明ける。ナムジンは冷たく振る舞うジナに長年の想いを告白するが、彼女の反応はつれない。

スンジャは息子のナムジンに弁当を届けに会社を訪れ、ジナを見つけると息子をストーカー呼ばわりしたことに怒りをぶつける。シウは2人から事情を聞き、実の母親でもないのに過干渉だと言ってスンジャを傷つける。

美しい夜景を前に、ジナは自分の想いをシウに話し、シウは吸い寄せられるように彼女と唇を重ねる。そこを偶然スンジュとナムジンが通りかかり、スンジュはナムジンに2人のキスシーンを見せまいと行動に出るが…。

笛の音を聞いたナムジンはスンジュの部屋に向かう。部屋が荒らされてはいるが、金目の物は盗まれていないと答えるスンジュ。実は部屋に忍び込んだのはソンギュで、株式譲渡契約書が持ち出されていたのだった。

シウは、大手建設会社の令嬢で世界的バイオリン奏者のソジョンと見合いをする。社長令嬢らしく、美しくて教養のあるソジョンに好感を抱きつつ、ギプス姿のソジョンに初めて出会った時のジナの姿を重ねてしまう。

スンジュはスヒに、盗まれた株式譲渡契約書の行方を問いただすが、スヒは知らないと言い張り、さらにスンジュの頬を打つ。その頃、ヨンシルとソンギュは、必死でマンソクの携帯電話のロックを解除しようしていた。

過労と睡眠不足のせいでジナは胃けいれんを起こして職場で倒れてしまい、シウは彼女を抱きかかえて病院へ連れていく。病室で目を覚ましたジナに、シウは寝ても覚めてもジナのことが頭から離れないと愛を伝える。

ジナが倒れたと聞き、薬を届けにいこうとするナムジン。スンジュは、ライバルチームのデザイナーに気を使っている場合ではない、会社を守るために全力を尽くす時ではと一喝し、自身がジナに薬を渡しにいく。

デシクのカフェを偶然訪れたナムジンは、デシクとの意外な再会を驚くとともに、ジナのことを心配する。その頃、ジナは想いを寄せていたことをシウに明かし、社長令嬢と政略結婚をするなら自分を諦めてほしいと話す。

ヨンシルに離婚届に判を押すよう迫るマンソク。ヨンシルは泣きながら離婚を拒否し、吐き気を催すのを見たマンソクはヨンシルの妊娠を疑う。その頃、デシクは漢方薬を手にジナの夫を名乗って会社に押しかける。

シウはデシク親子に対し、ジナの負った借金を全額肩代わりする代わりに、ジナとデシクの結婚を無効にし、カフェを畳むようにと迫る。その頃、ヒョンガンでは緊急株主総会が開かれようとしていた。

デシクはナムジンに、ジナの借金を肩代わりした人物を明かそうとするが、脅されていると言って押し黙る。一方、シウはジナに、借金を肩代わりしたことと、ジナのために婚姻無効訴訟の手続きを取っていることを話す。

シウとジナが熱い視線を絡ませながら立ち話をする姿を目撃したナムジン。婚約者がいながらジナと交際するシウに怒りをぶつけるナムジンだが、シウはジナも納得した上での関係だと言って取りあわない。

スンジュはナムジンに遠回しに告白するが、鈍感なナムジンはスンジュが自分のこと想っているとは気づかない。ジナが借金を返済したとスンジャとサンヒョンから聞いたスヒは、シウが肩代わりしたのではと考える。

泣き腫らしたような目をしたジナが心配になり、優しく声をかけるナムジンだが、ジナは冷たくあしらう。スヒに脅されて別れを決心したジナは、いつものバーにシウから呼び出され、そこで別れ話を切り出す。

1次コンテストの当日。2チームは現役の高校生がモデルとして登場し、審査員の目を奪うが、舞台裏ではスンジュが出たくないと騒いでいた。スンジュはスタッフから無理やり押され、ステージで転倒してしまう。

ナムジンは2チームの1次会の席でジナから呼び出される。ピンと来たスンジュは行かないでほしいと頼むが、ナムジンは急用だと言ってジナのもとへ向かう。そこでジナは、シウとの恋が終わったことをナムジンに伝えた。

ヨンシルが流産したと聞き、スンジャがソンギュのことを泥棒呼ばわりしたせいだと、マンソクはナムジンを責める。スンジュはナムジンには非がないと説明するが、マンソクは金輪際2チームを手伝わないと言い放つ。

シウの婚約式の前日、2次コンテストについて打ち合わせ中にナムジンに、ジナの母親からジナの父親が危篤だという連絡が入る。ナムジンはジナに急いで故郷に帰るよう説得し、故郷まで送っていくことにする。

ジナを傷つけたシウに怒りをぶつけるナムジン。スンジャはヨンシルを流産させた件で警察に自首する。被害者側が告訴を望まないため逮捕できないと警察官は話すが、スンジャは刑務所に入れてほしいと訴える。

婚約式直前に姿を消したシウを必死に捜すスヒ。その頃、シウはジナの父親の葬儀に参列していた。一方、ホ弁護士はマンソクに、1年後にヒョンガンの株式を譲渡する条件で、2チームの手助けを続けてほしいと交渉する。

シウがジナの父親の葬儀に出席していたことを知ったスヒは、ナムジンがシウを後継者にさせないために仕組んだわなだと思い込む。帰宅したシウはスヒにひざまずき、ジナを愛していると訴えるが…。

スンジャのもとに、昔の内縁の夫で刑務所帰りのパン・チョルサンから電話がかかってくるが、ひと言も話さず電話を切る。一方、ナムジンとスンジュは、ミラにモデルを断られたことをチーム員に打ち明けた。

ナムジンは、水族館でミラの愛娘・スジを見失って迷子にさせてしまい、必死に捜し回る。一方、スヒはミラに昔のことを恩に着せ、1チームのモデルをしてほしいと交渉するが、ミラは芸能界に未練はないと断る。

スンジャがヨンシルから慰謝料5千万ウォンを請求されたことを聞いたナムジンは、支払いに応じることにするが、マンソクの気分を損ねないかと不安を覚える。そんななか、ナムジンとスンジュはミラに会いにいく。

ナムジンからの温かい言葉に心を動かされたミラは、スジを連れてヒョンガンを訪れ、ナムジンにスジを預けてスヒに会う。1チームがミラをランウェイに立たせることになったと、2チームの面々は落ち込むが…。

慰謝料の件でマンソクはアン家に抗議しに出向く。サンヒョンは、ヨンシルの要求にナムジンが応じただけだと説明するが、マンソクは聞く耳を持たず、「スンジュとナムジンの交際は許さない」と言う。

スンジャのもとをまたも訪ねてきたチョルサン。ナムジンとスンジャは彼を説得して追い返そうとするが取りあわない。チョルサンに根負けした2人は、居場所が見つかるまでアン家に居候させることにする。

スヒに呼ばれて新春慈善バザーの打ち合わせに出席するジナだが、金持ちの奥様と令嬢に囲まれ、自分の生きてきた世界との差を目の当たりにする。その場を飛び出したジナは、ナムジンに電話をして迎えにきてもらう。

スンジュはナムジンに、ジナとホテルに行った件を詰問。事の経緯を説明するナムジンに、スンジュは「彼女を忘れられないのなら終わりにしたい」と告げる。そしてナムジンは、シウに前日の一件について説明する。

シウはスヒに、4歳の時に買ってもらった大好きなおもちゃに例えて、真剣にジナを想っていることを伝える。シウとスヒが話しあった後、スヒの部屋から物が割れる音を聞いたスンジャは掃除をしにいくが…。

チョルサンの持ち物を調べたところ、ホ執事の高級腕時計が見つかる。盗んでいないと潔白を主張するチョルサンだが、一同は疑いの目を向け、耐え切れなくなった彼は荷物をまとめてアン家を出ていってしまう。

ナムジンがジナに付き添ってホテルに行ったという話をしている時、スヒが帰宅。話を聞いたスヒは、ナムジンとジナが結託してシウを誘惑し、後継者争いに敗れるように仕組んだと思い込み、ナムジンを平手打ちする。

ヒョンガンのエントランスでスヒに話しかけるチョルサン。彼はスヒのことを、昔近所に住んでいたチェ・グムスンに違いないと言うが、スヒは人違いだと言い張る。一方、ジナはスンジュを部屋に誘って酒を酌み交わす。

チョルサンは警備員としてヒョンガンに就職し、スヒがここの常務であることを知る。一方、ミラはシウと2次コンテスト当日の打ち合わせをし、ぶっつけ本番で舞台に立つという常識破りの提案をするが…。

2次コンテストは、両チームともミラがランウェイに立ったため引き分けの判定となったが、審査員の採点は5対0で2チームの圧勝となった。1チームの敗北の可能性が高まったことでいら立つシウは、スヒをなじる。

常務室でチョルサンはスヒに、30年前にナムジンを誘拐するようそそのかしたのはスヒだったという衝撃の事実を語る。誘拐事件が時効を迎えたのをいいことに、彼はスヒを脅そうと目論んでいるが…。

シウが家を出ていったと知ったスヒは1人で涙を流す。一方、後継者争いに勝ち、ヒョンガンの経営権を引き継いだらスンジュと結婚することを認めるとマンソクに言われたナムジンは、一層仕事に情熱を注ぐ決心をする。

スヒはソンギュにジナの家の住所を調べるよう命じる。一方、シウは2次コンテストで発表したスパンコールの付いたドレスの製造の請負を要請しにミンハンに出向き、破格の工賃を提示するがマンソクはこれを拒む。

後継者になるためにシウが働いた数々の悪行を知り、ナムジンはシウに「絶対にヒョンガンを渡さない」と宣戦布告する。一方スンジュは、マンソクから聞かされたナムジンに関するある言葉が頭から離れない。

ホ弁護士は、スヒの過去を知る児童養護施設の施設長の妻の居所を突き止めた。しかし彼女は認知症を患っており、会話がかみあわない。一方、スヒはチョルサンを常務室に呼び出して脅迫するが…。

ホ弁護士はスヒの近くで聞こえよがしに、「チェ・グムスンをよく知る人物に会ってみないか」とチョルサンに持ちかけ、スヒを動揺させる。ホ弁護士はスヒが施設にいた頃の日誌を入手し、改名したいきさつを調べる。

旧正月のお祝いにスヒも交えて家族で餃子を作っていると、ナムジンのもとにホ弁護士から連絡が入った。ホ弁護士は、児童養護施設の日誌を確認したところ、チェ・グムスンとスヒが同一人物だと判明したと言う。

シウは、スヒが誘拐事件の黒幕だという事実を受け入れられず苦悩する。誘拐事件はでっち上げだと、ホ弁護士を告訴すべくシウは奔走するが、スヒはシウが法に訴えることで真相が明らかになることを恐れる。

ジナの家に押しかけ、シウと別れるよう迫るスヒ。「シウの幸せを願うなら別れるべきだ」と強硬な姿勢を見せるスヒに対し、妊娠が判明したばかりのジナはひざまずき、結婚を許してほしいと必死に懇願する。

ジナが姿を消したショックで酒に溺れるシウは、「ナムジンのものを奪ってやりたくてジナと付き合ったが、飽きたから捨てた」とナムジンに嘘をつく。突然ジナが消えたため、1チームのチーム員は途方に暮れる。

ジナを部屋に招いたスンジュはナムジンと一緒に失踪のいきさつを聞き、ジナがシウとの子供を中絶したと知って驚く。ジナはシウへの思いを断ち切り、独立してブランドを作ると言い、ナムジンに借金を申し出る。

シウはスンジュに過去を謝罪するが、突然倒れてしまう。心労と飲酒が原因で肝臓を傷めたシウは入院し、ナムジンとスンジュも泊まり込みで付き添う。ナムジンは仕事で徹夜することになったとスンジャに連絡するが…。

ナムジンがジナに3千万ウォンもの大金を貸したことを知ったスンジャは、ナムジンがずっとジナに利用されてきたと思っているため激怒する。心配したスンジャはスンジュに会い、ジナには気をつけるよう警告する。

一時期の不安定さは失せ、表情が明るいスヒ。自分の思惑どおりジナは姿を消し、シウも告訴どころではなくなったからだ。そんなスヒの様子を見たナムジンは、ジナの失踪はスヒが仕組んだのではと彼女に問う。

ホ弁護士はスヒとチョルサンを呼び出し、チョルサンが誘拐事件当日にナムジンの担当看護師に大金を渡したことを問い詰める。2人は「看護師が介護事業を始めるというので投資した」と、苦しい言い逃れをするが…。

チョルサンは、ホ弁護士が誘拐事件の再捜査のために動いていることを知ってスヒに相談する。自分に捜査の手が及ぶのを恐れたスヒは、チョルサンに逃亡資金3億ウォンを渡すことを約束し、国外逃亡を勧める。

ホ弁護士は、誘拐事件の証人からチョルサンと話していたスヒの目撃情報を掴む。一方、スヒは3次コンテストで1チームが負けたことを頑として認めず、コンテストのやり直しを求めると言って聞かない。

ホ弁護士は、スヒが誘拐事件の黒幕である可能性が高いことと、チョルサンの出国停止手続きを踏んだことをスヒに話すが、彼女は知らぬ存ぜぬの一点張り。一方、2チームはあるトラブルの対応に追われていた。

居直るスヒに業を煮やしたスンジュは、シウが病気になったのはあなたのせいだと責めるが、スヒは過ちを認めない。形勢が不利だと悟ったスヒはチョルサンを呼び出し、密航してでも早く海外へ逃げるよう伝える。

スヒはジナを訪ね、肝臓の移植手術が必要なほどシウの症状が重いことを明かす。結婚を許すからシウに会ってほしいと涙ながらに言い、ナムジンにドナーになるよう説得してほしいとジナに懇願する。

2チームの誠意ある謝罪対応が被害者の心を打ち、マスコミもナムジンが故アン会長の後継者にふさわしいと賞賛。一方、ホ弁護士はシウの担当医から、シウとスヒが実の親子ではない可能性が高いと聞かされる。

DNA鑑定の結果、スヒとシウが実の親子ではないと知ったホ弁護士は、故アン会長とシウのDNA鑑定を依頼する。一方、スヒは染料による健康被害を起こしたナムジンの責任を問い、彼を停職に追い込むよう画策する。

シウは故アン会長の孫だがスヒの息子ではないというDNA鑑定の結果を見て、頭をひねるホ弁護士。シウの出生当時のことを詳しく知るチャン室長からの情報で、ホ弁護士はナムジンとシウが同じ誕生日だと知る。

ホ弁護士はチョルサンを呼び出し、誘拐する際に「キム・ソヨンの赤ん坊か確かめて誘拐したか」と聞くが、怖くて焼酎を2本飲んでいたので覚えていないと彼は言う。ホ弁護士は、そんなチョルサンとスヒに激しく憤る。

ホ弁護士はスヒに、シウとスヒが親子ではないというDNA鑑定書を突きつける。スヒは、ホ弁護士がナムジンを後継者にするために鑑定書を偽造したと主張して激高。一方、ヒョンガンはいよいよ緊急理事会の日を迎える。

ナムジンに「実の母親に会ったら何を聞きたいか」と聞くスンジャ。ナムジンは「生まれた時の話が聞きたい」と答え、ナムジンが自分の実の息子なのではと思い悩んでいるスヒは、複雑な思いでナムジンの言葉を聞く。

スヒとスンジャの会話を偶然聞いたスンジュは、ナムジンとスヒが実の親子だと知って衝撃を受ける。動揺するスンジュの姿を見たスヒは、「ナムジンを後継者にするためのホ弁護士の策略に違いない」と言い張る。

チョルサンは、ナムジンとスヒが実の親子であることを生体肝提供手術を控えたナムジンに話してしまう。これに動揺したナムジンは事実を確かめるため、病院を抜け出してホ弁護士のもとへ向かう。

スヒは母子手帳に謝罪の手紙を挟み、ナムジンの病室にそっと置いて立ち去る。ナムジンを訪ねたホ弁護士に、スヒは気持ちを整理するため旅に出ると言い、シウには自分が実母ではないことを秘密にしてほしいと頼む。

スヒはチョルサンに自首することにしたと告げるが、2人の会話をジナが聞いており、スヒとナムジンが実の親子だと知ってしまう。一方、ヒョンガンの社内でもスヒとナムジンが実の親子だという噂が広まっていた。

生体肝移植手術を受ける日を迎えたシウが、ナムジンと一緒に手術室に入る。スヒは2人の息子の無事を祈り、ひそかに涙を流す。手術は成功するが、その1カ月半後、シウはジナの目の前で不可解な言動を取る。

ナムジンの証言で誘拐事件の時効が成立し、刑を免れたスヒとチョルサン。しかしスヒは、自分を罰してほしいと検察官に訴える。一方スンジャは、裕福な家で育つはずが苦労させてすまないとナムジンに謝る。

スンジュが作ったのり巻きを持ってピクニックに出かけるナムジン、スンジャ、スンジュ。楽しそうな3人を横目に、スヒは家でひとり寂しくのり巻きを頬張る。ピクニックの後、ナムジンはスンジュをカフェに連れ出す。

ジナとの結婚の挨拶をするため納骨堂に来たシウだが、遺影を見て動揺する。一方、後継者争いの行方は混迷の様相を呈しており、1チームが2次コンテストで商品化したドレスが予想外に売上を伸ばしていた。

ナムジンがスヒの実の息子だという噂が社内に流れていると知ったシウは、事実を確かめるためホ弁護士を訪ねた。そして、噂ではなく真実だと知ったシウはスヒを責め、「二度と顔を見たくない」と言ってしまう。

ジナと一緒に家を出ようとするシウをナムジンは引き止めるが、シウの気持ちは変わらない。ナムジンは、後継者に選ばれても辞退するとシウに打ち明け、ヒョンガンの発展のために力を尽くしてほしいと頼む。

ついにヒョンガンの次期代表理事が決定する。一同が緊張に包まれるなか、後継者候補だったナムジンとシウが共に放棄したため、代表理事はホ弁護士が引き続き務め、2年後に再び選任することが発表された。

ナムジンとスンジュの結婚に先立ち、両家顔合わせの食事会が開かれる。これを知ったスヒは結納品に高価な宝飾品を贈るが、スンジュは受け取りを拒む。一方、シウはジナに、結婚式を土曜日に挙げることにしたと話す。

スヒには秘密でシウとジナの結婚式がひっそりと行われる。サンヒョンからの連絡で挙式のことを知ったスヒは、チャン室長の運転で心当たりのある教会へ行くが、すでに式は終わっており、誰もいない教会で泣き崩れた。

スヒに「30年前に僕を殺そうとしたように、ジナのお腹の子を殺そうとしたのか」と衝撃的な言葉を投げかけるシウ。さらに、スヒのことを常務と呼び、母親とは認めないと告げた。スヒは精神的に追い詰められてしまう。

ジナは、パニック障害の疑いがあるスヒを病院に連れていこうとするが拒まれる。アン家の人々の心配をよそに、スヒは仕事にいくと言って聞かない。そしてスヒはジナに付き添われて出勤するが、不可解な言動を見せる。

スヒが朝食の食卓に現れないことを心配するアン家の人々だが、スンジャと一緒に寝ていると聞いて安心する。一方、スンジュはスヒと顔を合わせるたびに罵詈雑言を浴びせられるため、思い悩んでいた。

アン家の人々はスヒを心配し、病院に行くよう勧めるがスヒは頑として聞かない。会社で打ち合わせをしている時、スヒは再び発作を起こし、スンジュの顔を見るだけで胸が苦しくなるから出ていってほしいと訴える。

スンジュとの別れ話に納得できないナムジンは、スンジュの部屋のドアを叩き続けるが、彼女は悲痛なナムジンの呼びかけに答えようとしない。一方、チャン室長とサンヒョンは、スヒをキャンプに連れ出す。

病気のためスヒが不可解な言動を繰り返すので、ナムジンはホ弁護士に相談。ホ弁護士は、スヒが誘拐事件後の記憶の一部を失っているのではないかと推測し、ナムジンとシウが実の息子だと思い込んでいるようだと語る。

ナムジンの説得にも耳を貸さないスンジュに、ナムジンは「君が戻るまでいつまでも待つ」と告げる。ジナの母親は、ジナのために手作りの小豆粥を携えてアン家に行くが、スヒは小豆粥は妊婦に良くないと小言を言う。

解離性健忘が原因で自分に都合の悪いことは忘れ、身勝手な言動を繰り返すスヒにジナは耐えきれなくなり、彼女に自分の気持ちをぶつけてしまう。スヒのさらなる異変に気づいたナムジンは彼女を病院に連れていくが…。

ひとり暮らしの部屋に引きこもるスンジュのもとをジナが訪れる。その頃、スンジュのことを諦めきれないナムジンは、マンソク夫妻を訪ねるが、ヨンシルの口からスンジュの決心が固いことを知らされる。

川のほとりでナムジンは、スンジュを今も愛しているが、スヒのせいで諦めざるを得ない状況を切々と訴えると、スヒは涙を流して謝罪をする。そしてナムジンは、スンジュに自分の想いを綴った長いメールを送る。

スンジャはスヒと一緒に、ナムジンとよりを戻すようスンジュを説得するが、彼女は耳を貸さない。一方、イタリアブランドのコラボチームのメンバーは、ナムジンとシウが正反対の指示を出すので板挟みになっていた。

ジナの母親がスヒに「奥の間を譲れ」と言った件でまたも2人は口論となり、サンヒョンまでもがジナの母親を罵る。そこにシウが帰宅し、「育ててくれたから母さんと呼んでいるだけで、母親ではない」とスヒに言う。

ヒョンガンの社屋のロビーで罵りあうジナの母親とチョルサン。ジナの母親はチョルサンがスヒの指示を受けてナムジンを誘拐したと大きな声で罵倒したため、事件は社員の知るところとなってしまう。

アン家を出てホテルに滞在するスヒ。家に戻るようシウが説得するが、スヒは聞き入れようとしない。そこでチャン室長が一時的にスヒを預かると申し出、スヒの失踪事件は無事に一件落着したと思われたが…。

牛乳アレルギーの発作で意識を失ったシウだが、スヒが常備していた薬のお陰で命拾いする。これを機にシウは、幼少期から病弱だった自分が無事に大人になれたのは、育ててくれたスヒのお陰だったと痛感する。

スヒが行方不明だと聞き、シウとジナは捜し始めるが、スヒはその頃、ナムジンの運転する車に乗っていた。ナムジンはスヒの望みで亡き副会長が眠る納骨堂に行き、スヒは副会長とのなれそめをナムジンに語る。

スヒの病状とナムジンが退職する件が新聞記事になり、イタリアブランドとのコラボが中止の危機に直面。この報道を受け、シウの大叔父であるヒョンガンのアン顧問とチョ常務は、ある策略を立てる。

いまだにナムジンへの想いを断ち切れないスンジュは、取引先の御曹司、ソン・ジェユンから「3回だけデートしてほしい」と強引に交際を申し込まれる。一方、記憶を完全に取り戻したスヒはみんなに過去を謝罪する。

アン顧問とチョ常務の画策により緊急理事会が開かれる。スヒの不安定な精神状態が原因でイタリアブランドとの事業が中止の危機に瀕していることや、誘拐事件のことが取り上げられ、ホ弁護士も糾弾される事態となる。

ヒョンガンのブランドイメージの低下に頭を痛めたシウは、スヒに代わって謝罪会見を開くことを決め、ナムジンとジナもスヒのために会見に臨もうと決心。一方、シウたちの動きを察知してか、アン顧問が行動に出る。

家族の反対を押し切って2度目のアメリカ留学を決めたスンジュ。ジナは、ナムジンにスンジュが明日アメリカに発つことを知らせ、スンジュを引き止めるよう話すが、ナムジンは株式総会の準備を優先したいと答える。

株主によるブラインド審査でシウがヒョンガンの代表理事に選ばれ、アン顧問とチョ常務は動揺する。2人は粛清人事を覚悟するが、シウは役員の続投を持ちかける。そして、ナムジンは退職を心に決めていた。

シウはヒョンガンの代表理事として充実した毎日を送っており、ナムジンが立ち上げた会社も順調に業績を伸ばしていた。サンヒョンとナムジンの家族は、今もスンジュのことを忘れられない独身のナムジンを心配する。

食事会で胃もたれを起こしたハナを家へ送り届けるナムジンは、偶然ソンギュと再会。ソンギュから、アメリカ生活で痩せ細っていたというスンジュの近況を聞き、ナムジンはスンジュに会いたい気持ちを募らせる。

倉庫で倒れていたハナはナムジンに介抱され、彼に積極的にアプローチするも冷たくあしらわれる。一方、帰国したスンジュは家に帰り、ジェユンと一緒に店を開く準備をしていることをマンソクたちに報告する。