神風怪盗ジャンヌ

華麗なテクニックで次々と美術品を盗み去る謎の怪盗・ジャンヌ。その正体は、桃栗学園に通うごく普通の女の子・日下部まろんだった。彼女は次に、人間国宝の画伯が描いた絵をターゲットにする。

まろんは車にひかれそうになった少女・浩美を助けたが、浩美の父の様子がおかしい。浩美によれば、以前は優しかった父が、ある日を境に突然乱暴になってしまったのだという。まろんは浩美を救うために立ち上がる。

まろんの担任で新体操部の顧問・パッキャラマオ先生は、厳しいけれど花を愛する心優しい女性だ。そんな先生が、悪魔に取りつかれてしまった。まろんはジャンヌに変身するが、全校生徒に行く手を阻まれる。

クラス委員長・水無月ヤマトの祖父で水無月グループの会長が、悪魔に取りつかれてしまった。ジャンヌは水無月グループに侵入したが、都のわなで窮地に陥る。そこに、シンドバッドを名乗るもう1人の怪盗が現れた。

まろんのクラスは「世界の秘宝展」の話題でもちきり。なかでも目玉は「エーゲ海の涙」だったが、エーゲ海の涙には悪魔が宿っていた。一般公開される前に悪魔を封印しないと大変なことになってしまう。

ある日、まろんは公園でおばあさんを助けた。実はそのおばあさんは、だまし取られたカメオを取り返すための「泥棒」のパートナーを探していた。彼女の願いを叶えようと、まろんは協力を申し出るが…。

いまだにジャンヌを逮捕できない東大寺警部は、今度失敗すれば刑事生命が危うくなると所長から忠告された。それを知った都は、尊敬する父のために奮起する。一方、まろんは使命と友情との間で思い悩む。

ある朝、フィンはどこからともなく聞こえてくる、「天界の音楽」に似たメロディに引き寄せられる。これがきっかけで天才青年ピアニスト・木村宅美に出会い、フィンは少しずつ彼に惹かれていく。

世界的写真家の三枝に、モデルになってほしいと頼まれたまろん。亡くなった三枝の愛娘にまろんがそっくりだったのだ。「どこかで両親が写真を見てくれるかもしれない」と期待をし、まろんは引き受けることにする。

ドジで気の弱い委員長が、眼鏡をコンタクトに代えて登校してきた。それ以来、委員長は見違えるように格好良くなった。そんな彼に違和感を覚えるまろんだったが、悪魔の仕業と知って立ち上がる。

春田刑事は桃栗町で頻発する引ったくりの犯人に遭遇したが、取り逃がしてしまった。落ち込む彼を、仲間たちが元気づける。その帰り道、春田は公園の「乙女の像」の前で見る見るうちに精気を失ってしまう。

舞台劇「ロミオとジュリエット」に主演するサキと正英は婚約中のカップルだが、突然不仲になる。小道具の剣に悪魔が宿っていたのだ。劇を成立させつつ悪魔を封印するため、ジャンヌはわずかなチャンスに懸ける。

花屋のユリカが町を行く人々に忘れな草を無料で配っていた。ユリカは、3年前に別れた恋人の「忘れな草の咲く頃に迎えにくる」という言葉を信じているのだ。幼い頃に両親と別れたまろんは、彼女の姿に自分を重ねる。

まろんの先輩・加奈子が、男子体操部の山際コーチと結婚することになった。だが、山際の母の形見であるウエディングドレスに悪魔が宿ってしまう。ジャンヌは、ドレスを消さずに悪魔を封印しなければならない。

委員長がまたも悪魔に取りつかれてしまった。今度の悪魔は、自分が不必要だと感じている彼の心の闇を突いてきたのだ。悪魔は、まろんと都と稚空を遊園地に誘い出し、まろんはわなと知りながらも遊園地に向かう。

まろんたちは都に誘われ、幼稚園で人形劇を上演。その最中、園児の健一が人形を奪って引き裂いた。健一の母が悪魔に取りつかれていたのが原因だ。まろんは健一に「必ずママを元に戻してあげる」と約束する。

まろんと都は、稚空と見知らぬ少女の会話を立ち聞きしてしまう。話の相手は稚空の婚約者で、新体操のライバル校の選手でもある山茶花弥白だった。弥白はまろんに、「新体操も恋も負けない」と宣戦布告する。

都が大事に持っている、紙粘土で作った不細工な勲章。これは小学1年生の時、まろんが都に贈った想い出の品だった。だが、その勲章に悪魔が宿ってしまう。ジャンヌは悪魔に操られた都と戦わねばならず…。

稚空の父・海生が突然やってきて、まろんに彼女の父・巧の作った遊園地「マロンドーム」の模型を見せる。本物の遊園地は、まろんの誕生日である5月30日に完成するという。まろんは父の愛を知って涙を流す。

まろんは、留守電に残されていた信じられないメッセージを聞く。母のころんが「離婚を決意した」と話していたのだ。ショックを受けたまろんは部屋を飛び出し、事情を察した稚空がまろんを捜し始める。

ジャンヌを追い詰めた都は、水鉄砲を発射。3日間は落ちないという特殊な塗料がジャンヌの右頬に付着する。翌朝、まろんが右頬に絆創膏を貼っていた。そこはジャンヌが塗料を受けたのと同じ場所だった。

父・海生を誘拐したという脅迫状を受け取った稚空。差出人はジャンヌだったが、もちろんジャンヌの仕業であるわけがなく、稚空は真犯人を探し始める。そして、犯人らしき人物に呼び出された稚空とまろんだったが…。

ジャンヌの名を語る人物に呼び出された稚空は何者かに狙撃され、そのまま連れ去られた。その一方で、誘拐された稚空の父・海生が帰ってきた。まろんや都に事情を聞かれた海生は、何も覚えていないと言うのだ。

ジャンヌとシンドバッドの次の標的は、女社長にしてトップモデルのマリアンヌ・藤堂の持つブルーダイヤ「グランマリン」。ジャンヌたちはパーティ会場に忍び込むが、どうしてもダイヤを見つけられない。

まろんと都の新体操部と、稚空たちのサッカー部が合宿することになった。行きの列車の中で、都は合宿所で幽霊が出るという噂話をした。そしてその夜、合宿所で幽霊を見たという部員が次々と現れる。

「けっこう江戸時代村」に遊びにきていたまろんたち。江戸時代の人々の扮装をし、アトラクションを楽しんでいるなか、ついてきていたフィンが突然危機に見舞われる。城にある名刀に、悪魔が取りついていたのだ。

グランプリで優勝を目指すライダーの早乙女が、悪魔の宿ったバイクに搭乗してしまった。ジャンヌはレース中のサーキットで悪魔を退治したが、チェックメイトの直後にジャンヌの変身が解けてしまう。

魔王の命を受けた新たな敵・ノインとミストが人間界に出現。ミストが植物園のライオン像に悪魔を宿らせた。異変に気づいたまろんは立ち向かうが、ジャンヌに変身できないため苦戦を強いられてしまう。

桃栗学園にやってきた教育実習生の紫界堂聖は、甘いルックスでたちまち女子生徒の人気者となる。そんな紫界堂が、まろんに彼女の父からの手紙を渡す。まろんの父とはフランス留学時代の知りあいだと言うのだが…。

盲目の少女・ツグミに家族のように寄り添う盲導犬・イカロスが、ミストの手により悪魔を宿し、凶暴な猛獣に変貌してしまった。最悪の事態を恐れるジャンヌは、イカロスとツグミを救うために立ち上がる。

まろんと委員長に、スポーツドリンクのCM出演の依頼が舞い込む。実は依頼主の東雲一郎は詐欺の常習犯だったが、委員長はそうとは知らず浮かれる。さらに東雲が悪魔に取りつかれ、予断を許さない事態となる。

都の父・東大寺警部の拳銃に悪魔が取りついた。完全に別人となった東大寺は、ジャンヌを抹殺しても構わないとまで言いだす。都や部下たちも東大寺の異変に気づくが、あまりの迫力に圧倒されてしまう。

教会掃除のボランティアをすることになったまろんたち。そんななか、稚空に告白されたまろんは、彼の気持ちを素直に受け止める。そしてまろんと稚空は教会内に戻るが、そこはもぬけの殻だった。

まろんはシンドバッドの正体が稚空だと知り、「今まで稚空と過ごしてきた楽しい時間も全て嘘だったというのか」とショックを受ける。稚空は誤解を解こうとまろんに話しかけるが、その声は届かない。

ショックから立ち直れないまろんを励ます新体操部の先輩・加奈子。そんな彼女が悪魔に取りつかれてしまった。稚空はシンドバッドではなく名古屋稚空として、ジャンヌを助けようと決意。そして、ミストが姿を現し…。

都の兄・昴が数年ぶりに帰国したが、悪魔に狙われて性格が豹変。そこで、兄を元に戻したい都がある事実を思い出す。それは、ジャンヌの事件に関わった被害者が、事件後に性格が穏やかになっていたことだった。

重い病気に冒された少年・高土屋全は、5年にも及ぶ入院の果てに命が尽きようとしていた。そんな時、ノインが現れ、全は悪魔の契約を結んでしまう。全は、新しく手に入れた心臓のおかげで生きながらえるのだが…。

全の心臓に宿る悪魔を封印すれば彼の命はない。ノインを呼び出したジャンヌは、全との契約を白紙に戻す方法を問うが、白紙に戻すと全は死んでしまうのだった。だが全は、自分の心臓を盗んでくれとジャンヌに頼む。

イギリスの親善大使であるストーン氏の娘・チェリーと知りあったまろん。チェリーの両親が悪魔に取りつかれてしまい、彼女の家族を助けようと変身するが、全のことを思い出してチェックメイトをためらう。

桃栗学園に爆弾を仕掛けたという予告状がジャンヌから届いた。生徒たちが全員避難した後、ミストはまろんを呼び出す。クィーンが来る前に何とかジャンヌを倒そうと、ミストはかつてない攻撃を仕掛けてきた。

悪魔騎士ノインがまろんに語った驚くべき事実。彼はかつてジャンヌ・ダルクに仕える騎士で、神に復讐すべく悪魔に魂を売った。その真の目的は、ジャンヌ・ダルクの魂をまろんの体から解放することにあったのだ。

フィンが悪魔の軍団を従えて地上に帰還した。変わり果てたその姿に動揺を隠せないまろん。そんなまろんにフィンの言葉がさらに追い討ちをかける。「今まで一緒に戦ってきたことも全て芝居だった」と言うのだ。

都の目の前でジャンヌに変身したまろん。ジャンヌの正体を知った都は、「親友のまろんにだまされていた」とショックを受ける。そんな都の心の弱みにフィンはつけ込み、彼女を操ってジャンヌの命を奪おうとする。

フィンを追うジャンヌは氷の神殿に突入するが、フィンの仕掛けたわなで両親の幻影に苦しめられる。だが、彼女を信じる人たちの想いが、新たな力と勇気をもたらす。神風怪盗ジャンヌが、最後の戦いに挑む。