ZOMBIE-LOAN（ゾンビローン）

言いたいことが言えないみちるは、気弱な性格のため、クラスではパシリ扱い。そんな彼女は、死を前にした人間の首に黒いリングが見える「死神の目」を持っていた。そのことを知った同じクラスの知佳と思従は、彼女を「Zローン」へ連れて行く。彼らはみちるをある目的のための「ゾンビ狩り」に協力させようとしていた…。

学園で相次ぐ行方不明事件。その裏にゾンビが関係していると読んだ知佳と思徒は、夜の学園でのゾンビ狩りを開始、これまでとは違ったタイプのゾンビの出現に疑念を抱く。事件に巻き込まれた友達を救うために深手を負ったみちるは、生と死の狭間で重大な決断を迫られる…。

住む場所をなくしたみちるは、Zローンの事務所で不思議な少女を紹介された。その少女は、みちるに新たな住居の手配をし、みちるはそこで暦という上級生に出会う。その夜、突然怪しい態度を取り出す暦。みちるの力によって召還された別人格が、不気味な予言を始めたのだった…。

コンビニで旧友の芝に偶然再会した知佳。芝はその聡明さからなのか、退屈な世の中に飽きてしまったと語る。巷では女子大生殺害事件が報道され、ネットの世界では犯人を「蝶」と呼んで崇拝する者たちが現れていた。事件とゾンビとの関連を検証するため動き出すZローン。そこに居合わせた芝は、次々と資料の分析を始め…。

ネットの掲示板に「蝶」本人とみられる書き込みを見つけた知佳、思徒、芝は、秘密のオフ会への突入を試みる。同じ頃、メイド服で街を歩いていたみちると暦は、強引にオフ会に参加させられる羽目になる。そこで「蝶」信者たちが交わす会話のあまりの非常識さに、みちるは思わず非難の声をあげてしまい…。

あまりにも衝撃的な事件の真相を受け入れられず、驚愕する知佳。それをあざ笑うかのような犯人の態度に失望と怒りを抑えきれなくなっていく。正体を現した敵の思わぬ強さに、ピンチに陥る知佳と思徒。だが、それを打ち破ったのは意外にもみちるだった…。

慰安旅行で久世家が所有する温泉旅館にやってきたZローンの一行。温泉に浸かったり、卓球をしたりと思い思いに過ごす。実は、旅館の近辺には、奇怪な伝説があった…。夕飯の買出しに出かけたみちると思徒は、突如、凶暴な牙を剥く野獣の襲撃を受けて…。

黒羽寮を訪れた家族の前で、明るい表情を見せる知佳。それと対照的に、董奉に面会した思徒は、表情を翳らせていた。やがて、みちるが思徒の部屋で見つけた美しい櫛が、二人の間に亀裂をもたらす。一人歩き出した思徒を何者かが襲う…。その頃とある場所では、不遜な野望を秘めた科学者が、禁断の契約を交わしていた…。

思徒が誘拐されたことを知った知佳たち。Zローンに現れた董奉から次々と思徒の秘密を告げられ、自分たちが何も知らされていなかったことにショックを受ける。あまりにも大きな業を背負って苦しみ続けていた思徒。無事に取り戻すことができるのか…? そして、監禁された思徒に、不気味なゴーレム少女が近づく…。

蘇鉄の案内で廃駅に死神を訪ね、協力を求めたみちるたち。血のにおいを追いかけるかのように、思徒の居場所へと近づいていく。ゾンビ絡みで他の事件を追っていた乙も、同じ場所にたどり着いていた。思徒を取り戻すため、稼ぐため、ゾンビとの戦いが始まる。そして一連の違法ゾンビ増加の真の黒幕が、姿を現した…。

心も体も傷つけられた思徒。知佳は思徒の心を開かせようと、自らの思いを露にする。Zローンのメンバーたちは科学者たちの野望を暴くが、正気を失った彼らを止めることはできなかった。おぞましい戦いの果て、思徒はまた一つ大切なものを失う…。命とは何か、運命にどう向き合うのか? みちるたちは決意を新たにする…。

薄荷が、ARRCが生み出す違法ゾンビを駆除するため、鼈甲と同じくゾンビによるローン会社を設立した。その名もアライブローン、通称Aローン…。そしてAローンとZローン、どちらか先に1000万稼いだ方だけが存続を許可されることに。まもなくZローンの事務所に、Aローンのメンバーたちが現れ宣戦布告する…。

相手より先にゾンビを狩るため、街へ飛び出すAローン、Zローンのバイトたち。新参者ながらAローンの実力は相当なもので、Zローンは完全に出鼻をくじかれてしまう。創業以来の大ピンチの中、消極的だったみちるの中で、何かが変わり始めていた。そしてARRCには、死神に葬られたはずのあの男が現れて…。