あらすじ
第 1 週「 おら、この海が好きだ! 」
第1話
2008年夏、高校生の天野アキ(能年玲奈)は、母・春子(小泉今日子)の故郷・岩手県北三陸市を初めて訪れる。春子は、高校生のときに家出して上京したきりだったが、「母危篤」の知らせを受け、24年ぶりに娘を連れて故郷に戻ってきたのだ。東京育ちのアキには、風景や人々の言葉など、すべてが新鮮に映る。最も衝撃を受けたのは、さっそうと海に潜る海女の姿だったが、それは危篤のはずの祖母・天野夏(宮本信子)だった…。
第2話
アキ(能年玲奈)は、目の前でウニを取る海女が祖母・夏(宮本信子)であることを知る。夏が危篤という知らせは、幼なじみの大吉(杉本哲太)が春子(小泉今日子)を町に呼び戻すためについたウソだった。町おこしに燃える北三陸駅の駅長・大吉は「引退宣言した夏に代わって、海女になってくれ」と春子に頼む。24年ぶりに顔を合わせた夏と春子はぎくしゃくしたまま。口論の末、春子はアキを連れて東京に帰ろうとするが…。
第3話
北三陸市に残ることを選んだアキ(能年玲奈)は、りりしい夏(宮本信子)にどんどんひかれていく。夏は、海女として漁に出ながら、駅弁「ウニ丼」を作り、さらには喫茶店とスナックのママを兼ねるという忙しい日々を送っていた。一方、相変わらず夏と反目しあう母・春子(小泉今日子)は居心地の悪い思いをしていたが、幼なじみの大吉(杉本哲太)ら町の人々に少しずつ打ち解け始める。そんなとき夏が思わぬ行動に出て…。
第4話
突然、祖母・夏(宮本信子)に海に突き落とされたアキ(能年玲奈)。新しい一歩を躊躇(ちゅうちょ)して踏み出せないアキに、「あれこれ考えるより、まずやってみろ」ということを伝えるための夏の秘策だった。アキは、東京では学校や友人となじめず、そのことがきっかけで母・春子(小泉今日子)と父・正宗(尾美としのり)の関係も冷え込んでいた。海の気持ちよさに感動するアキ。しかし、その様子を目撃した春子は激怒し…。
第5話
夏(宮本信子)の手伝いで、ウニ丼の車内販売をしていたアキ(能年玲奈)は、足立ユイ(橋本愛)と出会う。同じ高校2年生ながら、独特の雰囲気を持つユイにひかれるアキ。一方、パチンコ屋では、母・春子(小泉今日子)が、ユイの兄・ヒロシ(小池徹平)と出会っていた。ヒロシは東京で就職したものの、すぐに辞めて北三陸に戻り、今は漁港の監視小屋でアルバイトをしていた。そこでアキの思わぬ姿を目撃してしまったヒロシは…。
第6話
自分の殻を打ち破ろうと、自ら海に飛び込んだアキ(能年玲奈)。警報を聞いて駆けつけた春子(小泉今日子)や夏(宮本信子)を前に「海女になりたい」と宣言する。夏や町の人々は大喜びするが、春子は反対。春子とアキは親子水入らずで話し、そこで春子は自分の過去を初めて娘に語る。かつて、周囲の期待を受けながら海女になることを拒み、家出同然で上京した春子。アキが初めて示した熱意を前に、春子が出した答えとは…。
第 2 週「 おら、東京さ帰りたくねぇ 」
第7話
アキ(能年玲奈)は、夏休みの間だけという春子(小泉今日子)との約束で、新人海女となった。夏(宮本信子)ら先輩に交じり、さっそく海女修業をスタートさせる。春子は、東京にいる夫・正宗(尾美としのり)との離婚を決め、夏が経営する喫茶店兼スナック「リアス」のママとして働き始める。店のカウンターで大吉(杉本哲太)が熱い思いを春子に伝えていたころ、北三陸駅に怪しい男が運転する1台のタクシーが…。
第8話
海女修業にいそしむアキ(能年玲奈)は、ある写真を見てショックを受け、海女になる自信をなくしてしまう。そこで、海女の歴史や、祖母・夏(宮本信子)と祖父で遠洋漁業の漁師・忠兵衛(蟹江敬三)のなれそめを聞くことに。そんな折、アキの父・正宗(尾美としのり)が、突然、町に現れる。正宗はタクシー運転手で、妻・春子(小泉今日子)とアキを連れ戻すため、はるばる東京からやってきたのだが…。
第9話
アキ(能年玲奈)は、先輩海女であるかつ枝(木野花)、美寿々(美保純)、安部(片桐はいり)らの複雑な過去を知る。一方、離婚したい春子(小泉今日子)と、別れる気の全くない正宗(尾美としのり)の話はかみあわないまま。若いころから、ひそかに春子に思いを寄せている大吉(杉本哲太)を巻き込んでの大騒動になる。どうしても東京に妻と娘を連れ戻したい正宗だったが、生き生きと海女修業をするアキの姿を見て…。
第10話
正宗(尾美としのり)は、東京では見たことがない娘アキ(能年玲奈)のはつらつとした姿を見て、独りで東京に戻る。アキは笑顔で見送るが、海女修業ができる時間が残り少ないことに焦っていた。春子(小泉今日子)との約束は夏休みの終わりまで。いまだに息を1分間止めることができず、夏(宮本信子)から素もぐりの許可が下りないのだ。海女になる前に2学期になってしまう。焦るアキの様子を盗撮する怪しい男が…。
第11話
夏(宮本信子)から素もぐりの許可が出て、本格的に海女修業が始まったアキ(能年玲奈)は、北鉄の中で同級生・足立ユイ(橋本愛)と出会い、親しくなる。東京になじめず、北三陸の町に居心地のよさを感じているアキとは正反対に、ユイは田舎を嫌い東京に強い憧れを抱いていた。町では、秋祭りに向けて山車の制作が始まった。ますます北三陸を離れがたい思いが募ったアキは、琥珀(こはく)掘りの勉(塩見三省)の坑道に向かい…。
第12話
アキ(能年玲奈)は、母・春子(小泉今日子)との約束で、新学期を前に東京に戻ることに。弥生(渡辺えり)ら先輩海女に別れを告げるが、心の中では離れがたい気持ちが押し寄せていた。春子に片思いを続ける大吉(杉本哲太)も、アキ親子を引き止められずに右往左往。ひそかにアキに思いを寄せるヒロシ(小池徹平)も、なすすべがない。別れの日、北三陸駅に立ったアキと春子だが、春子が24年前の出来事を思い出して…。
第 3 週「 おら、友だちができた! 」
第13話
東京に戻るはずだったアキ(能年玲奈)と春子(小泉今日子)が、夏(宮本信子)の家に引き返してきた。24年前、家出すると分かっていながらも引き止めなかった夏を、春子はいまだに許せないでいた。その思いを春子は夏にぶつけるが、勢いでアキと共に北三陸で暮らすと宣言してしまう。大吉(杉本哲太)をはじめ、町の人々は大喜び。アキは親友・ユイ(橋本愛)と同じ北三陸高校に編入し、新たな生活を始めることになる。
第14話
アキ(能年玲奈)は、祖母・夏(宮本信子)、母・春子(小泉今日子)と、3人での生活を始めた。張り切って海女修業に打ち込むが、早くも大きな壁にぶつかっていた。いまだにウニを一匹も取ることができないのだ。秋が近づき、このまま海女漁の季節が終わってしまうことに焦るアキは、夏との約束を破って危険な時間帯に海に潜ってしまう。海の中で、大きな潮の流れにのみこまれて身動きが取れず、アキは絶体絶命の危機に!
第15話
アキ(能年玲奈)は、夏(宮本信子)との約束を破って危険な時間帯に海に潜り、あやうく命を落としかけたところを美寿々(美保純)に助けられた。夏のげきりんに触れたアキは「海女失格」「出入り禁止」を宣告される。一方、観光協会では、大吉(杉本哲太)や菅原(吹越満)、長内(でんでん)らが集まり、過疎化が進む町の行く末を案じて町おこしの策を考えていた。一向に妙案が浮かばない中、ヒロシ(小池徹平)がやってきて…。
第16話
ヒロシ(小池徹平)の発案で、秋祭りにあわせてミスコンテストを開くことが決まり、町は大盛り上がり。一方、アキ(能年玲奈)は、親友のユイ(橋本愛)に誘われ、家へ遊びに行く。ヒロシとユイの父・足立功(平泉成)は、アキの母・春子(小泉今日子)の高校時代の担任で、今は県議会議員を務める地元の名士。アキは格式高い足立家の暮らしぶりに驚くが、功とヒロシ親子の間には何やら複雑な事情がありそうで…。
第17話
ヒロシ(小池徹平)は、大吉(杉本哲太)の紹介により、観光協会のウェブ担当として菅原(吹越満)の下で働くことになる。「ミス北鉄コンテスト」に出場することになったユイ(橋本愛)から、東京に出てアイドルになる夢を持っていることを聞かされたアキ(能年玲奈)は、着々と夢の実現に向けて進んでいるユイと、海女謹慎中の自分を比較して落ち込んでしまう。そんな折、家の中で隠し部屋の入り口を見つける。その中には…。
第18話
北三陸秋祭りの当日。町おこしの目玉の「ミス北鉄コンテスト」では、ユイ(橋本愛)が、初代ミス北鉄に選ばれる。地元のアイドルとして輝くユイに刺激を受けたアキ(能年玲奈)は奮起し、夏(宮本信子)に海女修業を再開させてくれるように頼み込む。そんなアキに、夏は、過去の衝撃的な出来事について語り始める。一方、観光協会では、ヒロシ(小池徹平)とアイドルオタクのヒビキ(村杉蝉之介)の行動が、思わぬ事態を招いて…。
第 4 週「 おら、ウニが獲りてぇ 」
第19話
初代ミス北鉄に選ばれたユイ(橋本愛)の動画が観光協会のホームページに載ると、町に大勢の観光客が押しかけてきた。一躍アイドルとなったユイは、ファンに囲まれ、北三陸駅長・大吉(杉本哲太)は臨時列車を出したり、夏(宮本信子)にも名物「ウニ丼」の注文が殺到したりと町じゅう大騒ぎだ。たった一日で驚異的な観光収入があがり、町の人々は驚く。一方、アキ(能年玲奈)は海女修業を再開するが…。
第20話
ファンの観光客が町に多数押し寄せ、ミス北鉄のユイ(橋本愛)の人気はうなぎのぼり。一方のアキ(能年玲奈)は、スランプに悩んでいた。潮に流された恐怖がよみがえり、うまく潜れず、いまだウニを取れないでいたのだ。そんなアキを見守るヒロシ(小池徹平)は、ひそかに寄せていたアキへの思いを、彼女の母・春子(小泉今日子)に打ち明け、相談する。そしてヒロシのある行動が、新たな騒動を引き起こして…。
第21話
ヒロシ(小池徹平)が、アキ(能年玲奈)の動画を観光協会のホームページに掲載したことで、アキの人気が急上昇し、ファンが押し寄せる事態に。ミス北鉄のユイ(橋本愛)の人気と相まって、町は大にぎわい。だが、アキは、いまだにウニが一匹も取れないことに悩んでいた。海女漁ができるシーズンは、あと一週間。このままでは海女として認められないと焦るアキに、先輩海女たちが考えた秘策とは…。
第22話
アキ(能年玲奈)は、悩んだ末に、先輩海女・安部(片桐はいり)に海中でこっそりウニを渡してもらい、自分が取ったことにしていたことを、観光客に明かしてしまう。かつ枝(木野花)や弥生(渡辺えり)から怒られたアキは、そこで安部が今季限りで海女を引退することを聞く。安部は、アキの母・春子(小泉今日子)と高校の同級生。アキは、安部から春子の若いころのことを聞くが、春子の過去について何か隠していることに気づく。
第23話
かつて春子(小泉今日子)が過ごし、そのままの状態で残っている部屋で、母の若き日に思いをはせるアキ(能年玲奈)。思い出の品々を通じて、母と娘は心を通わせる。アキはいまだにウニが獲(と)れないことに悩んでいたが、スランプ脱出の秘けつを春子から聞き、奮起する。そして海女たちの真剣勝負の漁、「本気獲り」への参加を願い出る。気合い十分のアキだったが、ヒロシ(小池徹平)からの突然の愛の告白で混乱してしまい…。
第24話
ヒロシ(小池徹平)からの愛の告白のせいで、アキ(能年玲奈)は一睡もできないまま「本気獲(と)り」に臨む。今季の漁の最終日、ウニを獲れるだけ獲ってよい、海女たちの真剣勝負の日だ。天野家を代表して参加することになったアキは、夏(宮本信子)や春子(小泉今日子)が見守る中、海の中へ。しかし、思うように動けず、もがくだけ。そこによみがえる夏や春子の言葉。果たしてアキはウニを獲り、一人前の海女になれるのか?!
第 5 週「 おら、先輩が好きだ! 」
第25話
アキ(能年玲奈)は、初めて自分の手でウニを獲(と)ることができ、海女として認められた。先輩の安部(片桐はいり)は「まめぶ」のPR活動のために町を去り、新たに花巻(伊勢志摩)が娘を連れてやってくる。海女漁のシーズンが終わり、アキの心にぽっかりと穴が開いてしまう。新人海女のアキの人気で盛り上がった町おこしも下火になってしまった。大吉(杉本哲太)や菅原(吹越満)は、新たな策を思案して…。
第26話
シーズンが終わって潜れないアキ(能年玲奈)は、北鉄の一日車掌を任され、夏(宮本信子)の発案で「ウニ丼」を海女姿で車内販売することに。ファンが殺到し、イベントは大盛況。アキもみんなが喜ぶ姿を見て、うれしくなる。しかし、母・春子(小泉今日子)から、チヤホヤされていい気になってるんじゃないと厳しい言葉を浴びせられる。アキは、自分が何をやりたいか悩む。そんなアキを見たユイ(橋本愛)は、ある場所に誘いだす。
第27話
アキ(能年玲奈)は、ユイ(橋本愛)に連れられ、北三陸高校の潜水土木科の授業を目にする。金属製のヘルメットと宇宙服のような装備。伝統的な「南部もぐり」の訓練に魅了されるアキ。そしてなにより、一人の生徒に目を奪われる。誰よりも深く潜り、浮かび上がってくる種市浩一(福士蒼汰)だ。純朴でイケメンの好青年・浩一に、アキはひと目で恋に落ちてしまう。
第28話
アキ(能年玲奈)は、潜水土木科への編入を、親友・ユイ(橋本愛)に宣言。潜水の体験実習では、憧れの種市浩一(福士蒼汰)に近づけて、ちょっとうれしい。そうとは知らないヒロシ(小池徹平)は、アキへの思いをつづったラブレターをユイに託していた。そして、スナックから家に帰った春子(小泉今日子)は、隠すようにしまってあった編入届を見つけて…。
第29話
アキ(能年玲奈)が潜水土木科への編入を宣言すると、町の大人たちは海女のアイドルがいなくなると大反対。母・春子(小泉今日子)もアキの将来が気にかかり高校を訪れる。しかし、アキの決心は固く、大人たちは週末に海女の格好をして列車で弁当を売るという約束で、しぶしぶ納得する。いよいよ念願の潜水土木科での学園生活がスタート。種市先輩(福士蒼汰)とさらに近づけるはずが、男子ばかりの異様な雰囲気に…。
第30話
アキ(能年玲奈)の毎日は、祖父・忠兵衛(蟹江敬三)の遺影に手を合わせることから始まる。学校では、ハードな潜水の授業でクタクタだ。一方、ユイ(橋本愛)の人気はとどまることを知らず、春子(小泉今日子)は、そんな彼女の姿を昔の自分と重ねてしまう。そんな折、いつもと様子が違う夏(宮本信子)に、長内(でんでん)との不倫疑惑が。そして週末、約束通り車内販売にがんばるアキは、見覚えのある顔に出くわし…。