あらすじ

各回のあらすじ (全150話)

第16週「汁(つい)の棲(す)み家(か)」

第91話
正蔵(近藤正臣)が倒れ、め以子(杏)は食事に気を遣う。食べたいものを尋ねると、静(宮崎美子)に怒られるという返事。それは先妻の得意料理、柿の葉寿司(ずし)だった。め以子は、さっそく柿の葉とさばを調達し、静や子どもたちと一緒に作ってみるが、思いどおりにできない。何度も作りすぎて正蔵も飽きてしまう始末。一方、希子(高畑充希)は川久保(茂山逸平)に正蔵のことを相談するうちに、思いがけない申し出を受ける。
第92話
め以子(杏)は、手土産のぬか壺(つぼ)を抱え、和枝(キムラ緑子)の嫁ぎ先を訪ねる。和枝に、柿の葉寿司(ずし)の作り方を教えてほしいと頼むが、あっさり断られる。希子(高畑充希)が川久保(茂山逸平)を家に連れてきた。正蔵(近藤正臣)が結婚を許し、一同は希子の幸せを喜ぶ。希子は使われなかっため以子の花嫁衣装を借り、家で祝言を挙げたいという。め以子は和枝を手本に祝言をきちんと取りしきろうと奮起する。
第93話
め以子(杏)は、正蔵(近藤正臣)から西門家の祝言のしきたりを教えてもらい、何の魚を出すかに才覚が問われると聞く。希子(高畑充希)は、倉田(綾田俊樹)とともに和枝(キムラ緑子)に出席を頼みに出向く。兄弟姉妹そろって、との希子の願いに、和枝は「め以子がいなければ」と条件をつける。め以子は当日は表に出ず、台所を受け持つと申し出る。それを聞いた和枝は、家の前の柿の葉が残っていたら出席すると返事をしてくる。
第94話
希子(高畑充希)の祝言の日、和枝(キムラ緑子)から大量の柿の葉寿司(ずし)が届く。そして和枝が「亡き母の名代だ」と言って妹たちと共に登場。正蔵(近藤正臣)は、和枝のきちんとした挨拶に体裁が悪い。め以子(杏)は準備におおわらわ。この日のための魚を用意するが、種類はなぜかバラバラだ。川久保(茂山逸平)の家族が来ないまま祝言が始まり、支度ができていない希子と川久保が登場。希子の驚くべき計画が明かされる。
第95話
め以子(杏)と悠太郎(東出昌大)の祝言が、なごやかに進む。め以子は、希子(高畑充希)のために整えたバラバラの種類の魚の意味を説明する。和枝(キムラ緑子)は、相変わらず厳しい。客が帰り、め以子たちは和枝の柿の葉寿司(ずし)を食べる。翌日、正蔵(近藤正臣)が再び倒れた。め以子は料理に腕をふるい、子どもたちも喜ばせようと一生懸命だ。自分をはがゆく感じる悠太郎に、竹元(ムロツヨシ)がある提案をする。
第96話
悠太郎(東出昌大)は、竹元(ムロツヨシ)から地下鉄の工事現場に正蔵(近藤正臣)を招くように言われ、戸惑いながらも、親子二人の時間を過ごす。悠太郎が技術者としての良心を持ち続けることが、正蔵の願いだ。その夜、正蔵は地下鉄のことを語りながら、上機嫌で、め以子(杏)のスープを飲む。寝る前に静(宮崎美子)につくづくと幸せだと語り、「ごちそうさんな人生」だと言う。翌朝、正蔵は起きてこず、悠太郎はかけつける。

第17週「贅沢(ぜいたく)はステーキだ」

第97話
昭和15年。戦争が続き、食糧事情は厳しくなる。め以子(杏)は節約メニューを考えるのに忙しく、出征兵士の見送りや千人針にも精を出している。ふ久(松浦雅)は物理に夢中な女学生、泰介(菅田将暉)は中学校で野球部に、末っ子の活男(西畑大吾)は洋食屋で修業中だ。悠太郎(東出昌大)は、相変わらず地下鉄建設に携わっているが、資材不足に悩む日々。め以子は馬介(中村靖日)からコーヒーの代用品を考えるように頼まれる。
第98話
源太(和田正人)に赤紙が来て、め以子(杏)はショックを受ける。だが、お国のためと自分に言い聞かせ、戦争に嫌気がさしている静(宮崎美子)の愚痴を封じる。そんな折、源太が行方不明に。探していため以子は、ふ久(松浦雅)が竹元(ムロツヨシ)と仲むつまじくしているのを見つけて仰天する。学校に行きたくないふ久の相談にのっていたという竹元から、逆に説教されるめ以子。あわてて諭したものの、ふ久の決意は固かった。
第99話
源太(和田正人)が何気なく戻ってきて、め以子(杏)は拍子抜けする。出征祝いの日が近づき、め以子が源太に食べたいものを尋ねると、答えはイチゴ。必死にイチゴを探すものの、もはや売っていない。そして、うま介での出征祝いの日。ふ久(松浦雅)は、考えた末のせんべつの品を渡す。希子(高畑充希)の歌声が響き、にぎやかな会に。め以子は酔った源太の介抱をしようとする。手を離そうとしない源太から、思わぬ本音を聞く。
第100話
イチゴが消えたことが気になるめ以子(杏)は、さらに砂糖が配給制になると知って驚き、大切なものが失われていくことに涙する。「砂糖は贅沢、贅沢は敵だ」という婦人会の言い分にも納得できない。婦人会では「興亜建国パン」なるものを作り、小学校に納めることに。皇国の母の務めと言われて引き受けため以子だが、その材料を聞いて絶句する。一方、悠太郎(東出昌大)は、地下鉄建設の資材集めに相変わらず苦戦していた。
第101話
め以子(杏)は飼料になるはずの「魚粉」で子どもたちのパンを作ることに抵抗するが、婦人会の多江(西村亜矢子)から「おいしさを求めることはぜいたく」と決めつけられる。ふ久(松浦雅)は納得できないままパンを作るめ以子に疑問をぶつけるが、ご近所を気にするめ以子は作るしかない。パンは予想どおりの出来。小学校に納品するも、あまりのまずさに突き返される。め以子は、材料をおいしく使えなかったことを悔いる。
第102話
め以子(杏)は、巨大な肉の塊を買ってくる。ついてくる人で道中は行列に。め以子はステーキを焼き、家族に振る舞い始める。悠太郎(東出昌大)が戻ってきて驚いていると、近所の人々が乱入。「ぜいたくだ」と怒りながらも、一同は焼けていく肉に引きつけられる。め以子は、おいしいものを食べさせるために生きてきたこれまでの思いを訴える。静(宮崎美子)が、め以子を援護射撃。ふ久(松浦雅)は、そんなめ以子を見つめていた。

第18週「乳の教え」

第103話
め以子(杏)は厳しい食糧事情のなか、近所の子どもたちにおやつをふるまい、「ごちそうさん」と呼ばれている。め以子は、泰介(菅田将暉)の甲子園行きを応援しようと、料理修業中の活男(西畑大吾)とともに弁当をできるだけ豪華にするが、あきれられる。西門家には、泰介とバッテリーを組む諸岡(中山義紘)がよく来てご飯を食べている。め以子は2人に力をつけてもらおうと肉屋に向かうが、普通の肉は手に入らなくなっていた。
第104話
め以子(杏)は、悠太郎(東出昌大)とともに、泰介(菅田将暉)の野球のミットを夜なべして修繕する。悠太郎は鉄筋が手に入らず、駅の設計をめぐって竹元(ムロツヨシ)と議論に。泰介のために啓司(茂山逸平)が新しいミットを入手。め以子は相変わらず料理で甲子園に行かせようとしており、予選を勝ち上がるとより豪華なカツが食べられる制度を思いつく。活男(西畑大吾)まで乗り気で、西門家は甲子園への熱意に盛り上がる。
第105話
め以子(杏)は、カツの材料を求めて出かけた市場で、源太(和田正人)に会って驚く。病気のために除隊になったというが、やつれた様子を心配する。鉄筋の不足に悩む悠太郎(東出昌大)は、藤井(木本武宏)から竹筋コンクリートなるものについて聞く。甲子園は今後5年間、開催されないことが決まる。泰介(菅田将暉)と諸岡(中山義紘)が戻ってくると、め以子は苦労して手に入れた卵でタルタルソースを作り、カツをふるまう。
第106話
め以子(杏)や悠太郎(東出昌大)は、甲子園に行けないのになぜか冷静な様子の泰介(菅田将暉)に戸惑う。室井(山中崇)の小説が検閲にかかって出版差し止めになり、桜子(前田亜季)は怒る。源太(和田正人)は、め以子の前で倒れ、西門家で看病されることになる。食べることができない源太は、栄養失調に陥っていた。一方、資材調達に悩む悠太郎は、室井や馬介(中村靖日)と話すうち、大切にすべきものとは何かを考える。
第107話
源太(和田正人)は何も食べられなくなっている。自分に知らされずに西門家で看病すると決まったことに、悠太郎(東出昌大)は面白くない。医者に見せても効果がなく、め以子(杏)は焦り、思い切って亜貴子(加藤あい)を訪ねて相談する。いずれまた出征する源太を思った泰介(菅田将暉)から、静かにみとってやることを提案され、怒りだすめ以子。そんな折、亜貴子が源太の往診に訪れ、源太が食べられない本当の理由を聞きだす。
第108話
め以子(杏)は、亜貴子(加藤あい)の話を聞き、源太(和田正人)の戦争での経験に思いをはせる。そして、命あるものを食べられなくなった源太を思い、涙ぐむ。寄り添う悠太郎(東出昌大)。泰介(菅田将暉)が、源太にまた出征することについて問うと、思いがけない答えが返ってくる。め以子が源太にも食べられるものを思いついたやさき、源太がついに危篤状態に。亜貴子が処置を試みる傍らで、め以子は源太の名を呼び続ける。

第19週「貧すればうどんす」

第109話
め以子(杏)は、源太(和田正人)が快方に向かい、ほっとする。悠太郎(東出昌大)は、鉄筋不足から竹元(ムロツヨシ)の設計どおりの地下鉄の駅を造れず、ついに絶縁を言い渡される。め以子は、いずれは悠太郎と和解をと、健康によいニンニクの梅肉エキスあえを竹元に届ける。回復した源太は、精肉店に復帰する。め以子は、野球の地方大会を勝ち上がった泰介(菅田将暉)らのために、わずかな牛肉を都合し牛カツをこしらえる。
第110話
昭和18年。戦争のために生活は苦しくなる。め以子(杏)は、何時間も配給の列に並ぶ一方で、身の回りのひとに菓子などをふるまい、「ごちそうさん」と呼ばれ、誇りに思っている。だが、食糧が手に入らず、ひそかに闇屋を利用している。め以子が「ごちそうさん」であることが、婦人会の副会長の耳に入る。戦時下の放送局の仕事に悩む希子(高畑充希)は、め以子をうらやましがる。そんな折、西門家に闇物資があるという通報が…。
第111話
悠太郎(東出昌大)らは、め以子(杏)が蔵の中に食糧を備蓄していたことにあきれる。家に地下室があることを、め以子は初めて知る。め以子の闇買いは近所に広まり、配給で意地悪される。希子(高畑充希)はラジオ局での、戦争を美化する番組に苦痛を覚えていた。愚痴るめ以子を悠太郎はいさめ、とりあえず大切な鍋を一つ金属供出に出し、ご近所さんの機嫌をとることに。しかし防空演習で、め以子はついに大げんかをしてしまう。
第112話
め以子(杏)が「ごちそうさん」をやめると言いだす。怒りだした希子(高畑充希)をいぶかしがるが、啓司(茂山逸平)から理由を聞く。希子は、おやつをふるまうめ以子の行動にあこがれ、戦意の高揚が目的の自分の仕事と比べて悩んでいた。室井(山中崇)の文学も戦時下にふさわしい内容を強いられる。そんな折、うま介の客が焼き氷を注文。め以子や馬介(中村靖日)は、季節外れなうえ手に入らない材料を都合しようと奔走する。
第113話
め以子(杏)は、ふ久(松浦雅)の助けを借りて氷を作ることに成功し、うま介へ。ようやく客に焼き氷を出すと、特高警察が現れる。逮捕される客に焼き氷を食べさせたいと、馬介(中村靖日)や桜子(前田亜季)が懇願する。め以子は、食べ物を振る舞うのをやめようとしていた自分を省みる。室井(山中崇)は、希子(高畑充希)のラジオ番組で、検閲を受けた自らの児童文学「おでん皇国戦記」を読むことになるが、番組は大混乱に。
第114話
「おでん皇国戦記」で騒動を起こした室井(山中崇)は希子(高畑充希)や啓司(茂山逸平)の機転で救われる。放送内容にヒントを得ため以子(杏)は、ご近所さんに共同炊事を提案。そして悠太郎(東出昌大)のもとに、め以子が竹元に贈ったニンニクの梅肉エキスあえのつぼが戻る。中身はめ以子の計画にぴったりだった。みんなで食糧を持ち寄っての炊事が始まる。地下鉄建設は中止となり、悠太郎は思いもよらない仕事に就くことに。

第20週「私の大豆な男の子」

第115話
昭和19年。め以子(杏)は厳しい食糧事情の中、大豆の粉で肉の代用品を作るなど頑張っている。悠太郎(東出昌大)は、建物疎開と呼ばれる、空襲に備えての取り壊しを進めていた。静(宮崎美子)がふ久(松浦雅)の縁談を持ってきて、悠太郎は猛反対。そんな折、泰介(菅田将暉)が、下宿先の京都から諸岡(中山義紘)と一緒に戻ってくる。諸岡は出征が近いといい、め以子たちを驚かせる。ふ久が、とんでもないことを言い始める。
第116話
悠太郎(東出昌大)は、「諸岡(中山義紘)の子どもが産みたい」と言うふ久(松浦雅)に激高。め以子(杏)も、ふ久の「結婚はしなくてもいい」の言葉にあきれる。諸岡は、出征間近を理由にきっぱりと断る。め以子は、ふ久が初めて他人に興味を示したことを喜ぶ一方、断られたふ久を思いやる。悠太郎は、ふ久の勉学への道が断たれることを理由に、断固反対。泰介(菅田将暉)が諸岡を訪ねると、ふ久が部屋まで上がりこんでいた。
第117話
め以子(杏)と悠太郎(東出昌大)は、泰介(菅田将暉)から、ふ久(松浦雅)が諸岡(中山義紘)の部屋まで押しかけたてんまつを聞く。ふ久は思いを真剣に伝え、諸岡もうれしいと言うが、それでも断られたという。め以子と泰介は、ふ久の純粋さに肩入れする。悠太郎はふ久の覚悟を問いただし、め以子と3人で諸岡家へ出向く。ふ久は諸岡家で暮らすことに。一段落したはずが、め以子は活男(西畑大吾)が口にした志望に仰天する。
第118話
め以子(杏)は、海軍に志願するという活男(西畑大吾)に激怒する。活男は軍艦で主計兵となり、料理の修業を積みたいというのだ。いったんは諦めさせるめ以子たち。だが、悠太郎(東出昌大)は空襲が来た場合のことを考え、明日をも知れない戦時下で、やりたいことができないまま軍需工場で働かされる活男を思いやる。そんな折、工場で事故が起きる。活男の無事を喜ぶめ以子だが、当の活男は友人を失い、激しいショックを受ける。
第119話
海軍に志願したいという活男(西畑大吾)だが、め以子(杏)はどうしても許せない。一方、悠太郎(東出昌大)は、同意書を書く気になっている。め以子は一計を案じ、ふ久(松浦雅)と諸岡(中山義紘)の結婚の内祝いの支度を、活男と一緒にする。め以子は活男に海軍ではなく家で料理することを提案する。だが、まもなく出征する諸岡が自分の料理を感動して食べる様子に、活男は今までにない気持ちを感じていた。
第120話
め以子(杏)は、末っ子の成長を思い知り、ついに活男(西畑大吾)の海軍への志願を許す。め以子は大人数向けの調理をする時の心得を教えてもらうため、父・大五(原田泰造)に手紙を書く。活男を送り出すことがつらく、悠太郎(東出昌大)の前で涙にくれる。め以子は父・大五の返事をもとに、せめて無事に主計兵としてちゅう房で働けるよう、活男の料理の腕を鍛える。出征の日の朝、め以子は活男と一緒に朝食を作る。

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