各回のあらすじ (全150話)
- 第121話
- め以子(杏)は、空襲に備えての建物疎開を強行している悠太郎(東出昌大)の激務を心配する。しかし、空襲時の消火の指導まで担当することに。桜子(前田亜季)が父親と和解して疎開することになり、め以子も妊娠中のふ久(松浦雅)の疎開先に悩む。め以子は、農家に嫁いだ和枝(キムラ緑子)を頼るしかないと考え、静(宮崎美子)の一張羅を持ち込もうとする。着物を差し出すことに抵抗していた静が、思いがけない提案をする。
- 第122話
- め以子(杏)と静(宮崎美子)は、ふ久(松浦雅)の疎開を頼みこもうと、静の一張羅を持って、和枝(キムラ緑子)の農家を訪ねる。すでに食糧と引き換えに、多くの着物や骨とうを手にしている和枝が出した条件は、西門家の家屋を譲ることだった。め以子たちはあえなく引き下がり、ふ久の疎開は桜子(前田亜季)を頼ることに。そんな折、悠太郎(東出昌大)が担当する建物疎開の現場で、大事故が起きる。
- 第123話
- め以子(杏)は、海軍に入った活男(西畑大吾)からの便りにひとまずほっとする一方、人命を守るという志から離れた仕事に悩む悠太郎(東出昌大)が心配でならない。少しでも励まそうと非常用の米でおいしいものを作る。そんな折、悠太郎の建物疎開の計画に、理不尽な横やりが入り、さらに多くの建物の引き倒しが必要になる。東京の空襲の知らせに、前にも増して考え込む悠太郎の様子に、め以子はかすかな不安を覚える。
- 第124話
- め以子(杏)は、悠太郎(東出昌大)の突然の逮捕に仰天する。悠太郎は、自ら計画した防火演習で、火をつけた建物にさらにガソリンをまき、集まった人々に「空襲の際は消火せずにとにかく逃げろ」と説いたという。防空本部の通達とは逆の言動だ。しかし、め以子には人命を守ろうとする悠太郎の思いが分かる。必死につてを探り悠太郎を救おうとするめ以子は、藤井(木本武宏)の幼なじみの軍関係者・里見(木下隆行)と会うことに。
- 第125話
- 悠太郎(東出昌大)が、拘留を解かれて戻ってきた。め以子(杏)は、市役所をクビになったと聞き、逆にほっとする。悠太郎は職探しと称し、泰介(菅田将暉)やふ久(松浦雅)を訪ね、久しぶりにめ以子を食事に誘う。静(宮崎美子)や希子(高畑充希)は、悠太郎を不審がる。希子が、悠太郎への処分を突き止めると、それは過酷なものだった。そんな折、悠太郎と何も知らないめ以子が、ラジオ局を訪ねてくる。希子は2人の前で歌う。
- 第126話
- 悠太郎(東出昌大)が出発する前日。家族が気を利かせ、め以子(杏)と悠太郎を二人きりに。二人で出かけたい悠太郎だが、め以子は気づかない。悠太郎は、こっそりと源太(和田正人)に、め以子のことを頼む。め以子は、一つしかない卵で、思い出のスコッチエッグを作る。家族の幸せな未来への夢を笑顔で語るめ以子を、優しく見つめる悠太郎。翌朝、悠太郎は静(宮崎美子)にめ以子への手紙を託し、いつもどおり出かけようとする。
- 第127話
- 臨月が近いふ久(松浦雅)と静(宮崎美子)の疎開が決まり、め以子(杏)は送別会の準備をする。だが、ふ久が産気づいたという知らせがあり、静や泰介(菅田将暉)と急いで諸岡家へ向かう。め以子は、悠太郎の手紙を胸元に入れる。希子(高畑充希)と啓司(茂山逸平)はラジオ局に残り、空襲を警戒する。空襲警報が鳴る中、ふ久のお産が始まり、め以子たちは祈る思いで準備を進める。男の子が生まれた瞬間、大空襲が始まる。
- 第128話
- め以子(杏)たちは、ふ久(松浦雅)と赤ん坊を連れて避難を始める。逃げまどう中、「地下鉄の駅に逃げろ」という悠太郎の言葉を思い出す。入り口は閉められていたが、め以子は、自ら作った駅が安全だという悠太郎の言葉を叫ぶ。その夜、地下鉄が走ったことで、多くの命が救われる。翌朝。西門家は蔵を残して燃え落ち、ぬか床もなくなっていた。希子(高畑充希)らと無事を喜びあい、め以子はとりあえずうま介に身を寄せる。
- 第129話
- ふ久(松浦雅)と赤ん坊、そして静(宮崎美子)は別々に疎開する。め以子(杏)と泰介(菅田将暉)は和枝(キムラ緑子)の農家に世話になることに。無効とはいえ、西門家の権利を和枝に譲るという一筆を書く2人。め以子は料理を手伝わされるが、自分たちは食べさせてもらえない。翌朝には泰介ともども畑に追いたてられる。言い合っているめ以子と和枝は、泰介にはどこか楽しそうに見える。そして和枝のこれまでを、め以子は知る。
- 第130話
- め以子(杏)は、足をくじいた和枝(キムラ緑子)の代わりに家事をして、和枝が学童疎開の子どもによりよい野菜を仕分けていたことを知る。和枝の足はやがて回復し、泰介(菅田将暉)は学校に戻ることに。め以子は落ち込むが言葉には出さない。泰介は和枝に、め以子と食事をともにしてくれるよう頼むが、「女は一人で食べられるようになるべきだ」と断られる。め以子と泰介が最後の農作業をしていると、思いがけない知らせが。
- 第131話
- め以子(杏)は、出征を控えた泰介(菅田将暉)のため、和枝(キムラ緑子)に「柿の葉ずしの作り方を教えてほしい」と頼む。和枝は泰介のために完璧な支度を調え、すし作りには、い草を用意する。め以子は不思議がるが、笹の葉とい草でできあがった「笹の葉ずし」をおいしそうに食べる泰介を見て涙する。翌朝、泰介を気丈に見送っため以子は、2人で世話をした畑に向かう。だが、さらなる試練がめ以子を待ち受けていた。
- 第132話
- め以子(杏)は、活男の死亡通知を信じまいとしながらも、動揺を抑えられない。和枝(キムラ緑子)の家を飛び出し、つかれたようにさまよう。和枝は、ようやく戻ってきため以子を畑へ連れていく。そこには、め以子が世話を怠ったために枯れてしまった作物があった。和枝は、め以子に「一人で食べることに慣れるように」と言う。め以子は、孤独と悲しみに耐え、畑仕事で毎日を過ごす。そして8月を迎える。
- 第133話
- 昭和20年8月。め以子(杏)は、和枝(キムラ緑子)の嫁ぎ先で終戦を迎える。そして、大阪市内の西門家に戻って家族を待とうと決意する。戻ってすぐ、放送局で働き続ける希子(高畑充希)や啓司(茂山逸平)と再会し、無事を喜び合う。だが、希子は市内の治安が悪いことを理由に、和枝のもとに帰るように勧める。それでも大阪に残ることにしため以子は、見知らぬ軍人についていくうちに男たちに取り囲まれてしまう。
- 第134話
- め以子(杏)と室井(山中崇)がいる蔵に、希子(高畑充希)と啓司(茂山逸平)が戻ってくる。希子は、忠告に従わないめ以子に腹を立てる。め以子は「いつ戻るとも知れぬ家族に、まず一番に食べさせたい。とどまる」と言い張る。闇市に向かうと、にぎやかさと値段の高さに驚く。そんな中、小さいジャガイモを揚げた「うまいもん」を売ることを思いつく。源太(和田正人)の助けもあって売り上げは好調だが、思わぬ横やりが入る。
- 第135話
- め以子(杏)たちが「うまいもん」を売り終わったところに、チンピラの香月(波岡一喜)が現れ、め以子から売上金の一部を脅しとる。源太(和田正人)は、あまりにも強気なめ以子に、悪態をつきつつも心配し、西門家のすぐそばで寝起きをすることに。希子(高畑充希)は、活男の戦死公報の件を源太に知らせ、め以子の心中を思いやる。め以子は、身寄りのない子どもたちが持ち寄る材料をいかし、次々においしいものを作って売る。
- 第136話
- め以子(杏)は、藤井(木本武宏)から受けとったぬか床を久しぶりにかき混ぜ、「さい先がいい」と喜ぶ。香月(波岡一喜)はめ以子に、闇市で料理を教えて「うまいもん横丁」を作らないかと持ちかける。東京の卯野家の無事の知らせなど喜びが重なる一方、大量の米が手に入るチャンスが。め以子は倉田(綾田俊樹)を頼り、買い取った米でさっそくたくさんのおむすびを作る。笑顔があふれる中、め以子にとって最高にうれしいことが。
- 第137話
- 泰介(菅田将暉)の復員に大喜びの一同。め以子(杏)は心づくしのごった煮を用意するが、放送局に占領軍が来たという啓司(茂山逸平)の話には加わらない。源太(和田正人)は泰介に活男の戦死公報のことを話す。泰介と2人になり、め以子はようやく、どうすればよかったのか、無力だった自分へのやりきれなさを口にする。め以子は大学へ復学するものと考えていた泰介が、身寄りのない子どもの家族探しをしたいと言いだして驚く。
- 第138話
- め以子(杏)は、帰ってきた静(宮崎美子)の変貌ぶりに驚く。泰介(菅田将暉)は家族を引き合わせる試みの第一号、一人きりだった少年と、兄である復員兵を再会させる。め以子は、少年の「かっちゃん」の呼び名に涙をこらえきれない。室井(山中崇)は静が持ち帰った、桜子からの手紙の内容に仰天する。悠太郎、活男を待つばかりとなっため以子だが、ある日突然手入れが入り、うまいもん横丁はめちゃくちゃにされてしまう。
- 第139話
- め以子(杏)が、闇市の手入れで抵抗したために警察に連行された。泰介(菅田将暉)や静(宮崎美子)、源太(和田正人)らが心配する中、罰金だけで戻される。だが、香月(波岡一喜)から、闇市で商売をしないことが条件だと知らされる。め以子は、アメリカの進駐軍が関わっている手入れと知って憤慨、さらにチョコレートを投げる米兵を見て怒りが頂点に。一方、希子(高畑充希)から放送局で弁当を売らないかともちかけられる。
- 第140話
- め以子(杏)は、希子(高畑充希)が勤める放送局にこっそり弁当を売りにいく。すると、アメリカ人モリスがその弁当に興味を示す。ふ久(松浦雅)が諸岡(中山義紘)と幼い大吉を連れてきた。め以子は目を細めるが、工場ごと空襲を受けた諸岡家を案じる。そんな折、め以子の弁当をモリスが強引に全部、買ってしまう。久しぶりにめ以子の料理を食べた倉田(綾田俊樹)は、蔵を改築して料理を出す「お座敷」を始めないかと提案する。
- 第141話
- め以子(杏)は、西門家の蔵の改修に取りかかる。藤井(木本武宏)と大村(徳井優)が、手伝いにくる。そこになんと竹元(ムロツヨシ)が現れ、さっそく蔵の改築を買ってでる。め以子は戸惑いながらも、悠太郎が建てそうなものというイメージを伝える。奇想天外なイメージを膨らませる竹元に、泰介(菅田将暉)や源太(和田正人)まで加わって盛りあがる。悠太郎を思うめ以子は、竹元の思わぬ一言に勇気づけられる。
- 第142話
- 蔵の改築が進み、め以子(杏)は食器を集めるなど「お座敷」の準備を進める。チョコレートを投げる米兵への反感は相変わらずだ。泰介(菅田将暉)やふ久(松浦雅)が「アメリカにもいいところはある」と認めているのが面白くない。希子(高畑充希)は、アメリカ人・モリスからめ以子のおむすびをまた食べたいと頼まれ、困惑。あえて高値をつけてしぶしぶおむすびを作っため以子は、アメリカ人の「おいしい顔」を初めて見ることに。
- 第143話
- め以子(杏)の「蔵座敷」が完成。倉田(綾田俊樹)が食糧を持ち込むほか、め以子自ら仕入れもするように。馬介(中村靖日)は、め以子に、うま介をアメリカ人が立ち寄り自由な店として再建したいと打ち明ける。蔵座敷で、め以子は諸岡家の工場の製品のアイデアをつかむ。そんな折、希子(高畑充希)からモリスが蔵座敷に来たがっていると告げられる。迷っているめ以子のもとに、海軍で活男と一緒だったという青年が訪ねてくる。
- 第144話
- め以子(杏)は静(宮崎美子)とともに、海軍で一緒だったという青年の話を聞き、活男の戦死を受け入れざるを得なくなる。活男が残した手帳には、め以子の料理の記憶を頼りに、母への思慕を募らせる活男の思いがあふれていた。源太(和田正人)の助けを借り、め以子は活男の食べたかったものをできる限り作る。前を向かねばと思うめ以子だが、蔵座敷を訪れたいというモリスに料理を出す気持ちにはなれなかった。
- 第145話
- め以子(杏)は、藤井(木本武宏)から悠太郎の情報を聞き、さらに強い気持ちで待ち続ける。戦争が終わって1年以上になるが、活男を思うとアメリカを受け入れられない。室井(山中崇)は、め以子をネタにした新聞連載小説「あほうの仏」が評判で、調子がいい。室井が蔵座敷にファンの女性客を招きたいと言ってきた。め以子は、室井が美人の写真に舞い上がる様子を見てあきれる。桜子(前田亜季)に連絡するが、返事はそっけない。
- 第146話
- 蔵座敷に来た室井(山中崇)のファン・路代(逢沢りな)は、美しい女性だった。べたべたする室井の前に桜子(前田亜季)が現れ、室井はろうばいする。すべては桜子の策略で、驚くような意図があった。め以子(杏)は、桜子との再会を喜び、前に進めずにいる思いを打ち明け、静(宮崎美子)と泰介(菅田将暉)は、め以子の孤独を思いやる。そんなとき、啓司(茂山逸平)と諸岡(中山義紘)が激高して泰介を訪ねてくる。
- 第147話
- やっと甲子園でできることになった中等学校野球大会がGHQに許可を取り消される。怒る啓司(茂山逸平)と諸岡(中山義紘)。泰介(菅田将暉)も後輩を思いやる。署名運動を始めるめ以子(杏)たち。希子(高畑充希)は野球をテーマに強引な街頭取材を行う。それがモリス大尉の目にとまり、とがめられた希子は訳を話す。野球大会の担当者はモリスの知り合いだった。モリスは、め以子の蔵座敷での食事がかなうなら力になると言う。
- 第148話
- め以子(杏)が蔵座敷で最高の日本料理を出せば、モリスが甲子園の件に協力するという。め以子はアメリカを受け入れられないが、泰介(菅田将暉)たちのためにと、大いにはりきる。泰介たちは、野球大会の管轄部署に、日本語ではなく英語で訴えようと考える。め以子は「最高の日本料理を作らねば」と献立を考えるが、持ち込まれた材料に新たな対応を迫られる。モリスの食べる顔、め以子に語りかける言葉は意外なものだった。
- 第149話
- 泰介(菅田将暉)、啓司(茂山逸平)らは甲子園大会の実現に向け、管轄部署のトップのカーチスを説得する作戦を立てる。め以子(杏)は、アイスクリンが好きだというカーチスに、活男を思う。そして、馬介(中村靖日)らと精いっぱい、アイスクリンを作る。2種類のアイスクリンを持ってカーチスを訪ねた泰介たちは英語で甲子園での野球大会への熱い思いを伝える。一方、蔵座敷には倉田(綾田俊樹)と一緒の和枝(キムラ緑子)が。
- 第150話
- 蔵座敷を訪れた竹元(ムロツヨシ)に驚くめ以子(杏)たち。その言葉に悠太郎を思う。泰介(菅田将暉)や希子(高畑充希)ら一同は甲子園の開会式に向かうが、め以子は「カレーを売るから」と駅近くの雑踏に。源太(和田正人)が見にくると、め以子が、復員兵たちの中に悠太郎の姿を探していた。カレーは結局、無料で配ることとなり、復員兵やその家族に喜ばれる。そしてめ以子は、源太と二人だけでカレーを食べる。